ポリアセタール(POM)樹脂
テナック™
1972年にホモポリマー、次いで1985年にコポリマー、更に1987年に世界初のブロックコポリマーの製造販売を開始しました。
また、コポリマーにおいては、国内プラントと併せ、2004年より中国・張家港でも製造販売を開始しています。
ポリアセタール事業分野において、世界で唯一ホモポリマー「テナック™」、コポリマー「テナック™-C」、ブロックコポリマー「テナック™LAシリーズ」を当社独自技術で生産しています。
生産能力
水島:44,000トン/年(ホモポリマー 20,000トン/年, コポリマー 24,000トン/年)
張家港(中国):コポリマー 20,000トン/年
ポリアセタール(POM)樹脂
テナック™
1972年にホモポリマー、次いで1985年にコポリマー、更に1987年に世界初のブロックコポリマーの製造販売を開始しました。
また、コポリマーにおいては、国内プラントと併せ、2004年より中国・張家港でも製造販売を開始しています。
ポリアセタール事業分野において、世界で唯一ホモポリマー「テナック™」、コポリマー「テナック™-C」、ブロックコポリマー「テナック™LAシリーズ」を当社独自技術で生産しています。
生産能力
水島:44,000トン/年(ホモポリマー 20,000トン/年, コポリマー 24,000トン/年)
張家港(中国):コポリマー 20,000トン/年
テナック™とは
テナック™とは、旭化成が製造販売する、ポリアセタール樹脂の総称です。
ポリアセタール樹脂は、強度・剛性等の機械的特性が高く、優れた摩擦・摩耗特性、寸法安定性、耐油・耐有機溶剤性を持つバランスのとれたエンジエアリングプラスチックです。
当社では、耐久性や靭性に優れる「2010」、「3010」等の高粘度グレード、更に旭独自の結晶制御技術により耐クリープ性を高めた「MG210」、ホルムアルデヒドの発生量を大幅に削減した低VOCグレード「Zシリーズ」等をラインナップしております。
現在、これらの材料は例えば自動車用のモーターギア、機構部品、内装材等に使用されています。
このように当社はグレードのラインナップが豊富であり、用途に応じた最適なグレードを提供することが出来ます。
※テナックとはラテン語で「強靭な」を意味する「テナックス」から命名された当社のポリアセタール(POM)樹脂です。
テナック™の特長
汎用エンジニアリング樹脂(エンプラ)の中でのテナック™の特長を以下に示します。
長所
1. 長期に亘り、優れた摩擦・摩耗特性を有します。
2. 疲労特性とクリープ特性に優れています。
3. 耐油性・耐有機溶剤性に優れています。
短所
・ホモポリマー、コポリマー共通
1. UL94規格でV-1以上の難燃性は有しておりません。
2. 酸性物質と接触する用途には注意が必要です。
・ホモポリマー
1. 熱水と接触する用途には注意が必要です。

テナック™の製造
テナック™は、弊社独自の技術で、原料から製品まで一貫生産しています。
テナック™ 用途事例
モーターギア
ドア・ワイパー・シート等を駆動させるモーターに使用されるギアには、高い耐久性が求められるため、高粘度のホモポリマーが主に使用されています。
製品
グレード
・テナック MG210:超高粘度高耐久ホモポリマーグレード
特長
・耐久性
・耐クリープ性
・金属代替による軽量化が可能
プリンタ・ギア
・歯車はトルクと回転を伝達する部品です。具体的には歯車は軸を中心に回転して歯が噛合い伝達します。
・樹脂製歯車に求められる性能は、剛性、耐久性、摺動・静音性、静的・動的精度と言えます。
・テナックは要求特性に合わせ数多くのグレードをラインナツプしています。
製品
グレード
・テナック-C NS556
・テナック-C LX750、テナック-C LZ750
・高剛性・高精密コポリマー・グレード NS556;高剛性と高精密を両立させた無機フィラー強化グレード
・良流動・高摺動コポリマー・グレード LZ750、LX750;高機能コポリマーHC750をベースに、摺動剤を使い分け2グレードを用意
特長
・高摺動性
・精度の高い成形が可能
関連リンク
プリンタ機構部品(テナック)
・プリンタの機構部品は多種多様です。代表的な物として軸・軸受け、アーム、コロ、カムなどがございます。
・全ての部品に求められるのは、長期に渡り性能が変化しにくい事です。
・軸や軸受けは穴径を維持するため剛性と耐摩耗性、アームやカムなどは繰返し疲労で変形しないことなどが求められます。
製品
グレード
・テナック-C HC750、HC450
・テナック-C LZ750、LX750
・高機能コポリマー・グレード HC750、HC450;ホモの物性と、コの熱的耐性を併せ持った第三のポリアセタール。
・良流動・高摺動コポリマー・グレード LZ750、LX750;高機能コポリマーHC750をベースに、摺動剤を使い分け2グレードを用意。
特長
・テナックは機械特性をはじめ耐久・疲労性及び摺動性に優れる材料です
・特にホモとコの良い所を併せ持ったHCは機構部品に最適な材料と言えます
・HCをベースに摺動を施したLZ/LXは物性は勿論の事、摺動性能も優れています
・薄肉成形が可能です
関連リンク
導電性軸受
不導体であるプラスチックに導電性を付与する事により、今まで金属であった接点部品やアース部品を代替する事が出来ます。樹脂は成形で部品作製する事が出る事と、二次加工を省く事も可能なため、生産性・コスト面で優位と言えます。
製品
特長
・体積抵抗値が10^0~10^1Ω・cmレベルの優れた導電性を有します。
・TFC77は極めて安定した導電性と摺動性を兼ね備えています。
・TFC84は安定した導電性と、靭性に優れた性能を有します。
関連リンク
PIM(Powder Injection Molding:粉末射出成形)
PIMは金属又はセラミックの粉末にバインダーを加えて射出成形した後、脱脂・焼結することで小型、高精度の金属・セラミック部品を製造する技術です。
製品
グレード
超高流動グレード FF520, 9520
当社では、バインダーとして好適なポリアセタール樹脂を開発し
超高流動グレードとして市場に提供しております。
特長
・金属又はセラミック粉末とバインダーの混合物(フィードストック)の押出性、熱安定性に優れる
・フィードストックの成形性に優れる
・フィードストック成形体の強度
モーターギア
ドア・ワイパー・シート等を駆動させるモーターに使用されるギアには、高い耐久性が求められるため、高粘度のホモポリマーが主に使用されています。
製品
グレード
・テナック MG210:超高粘度高耐久ホモポリマーグレード
特長
・耐久性
・耐クリープ性
・金属代替による軽量化が可能
プリンタ・ギア
・歯車はトルクと回転を伝達する部品です。具体的には歯車は軸を中心に回転して歯が噛合い伝達します。
・樹脂製歯車に求められる性能は、剛性、耐久性、摺動・静音性、静的・動的精度と言えます。
・テナックは要求特性に合わせ数多くのグレードをラインナツプしています。
製品
グレード
・テナック-C NS556
・テナック-C LX750、テナック-C LZ750
・高剛性・高精密コポリマー・グレード NS556;高剛性と高精密を両立させた無機フィラー強化グレード
・良流動・高摺動コポリマー・グレード LZ750、LX750;高機能コポリマーHC750をベースに、摺動剤を使い分け2グレードを用意
特長
・高摺動性
・精度の高い成形が可能
関連リンク
プリンタ機構部品(テナック)
・プリンタの機構部品は多種多様です。代表的な物として軸・軸受け、アーム、コロ、カムなどがございます。
・全ての部品に求められるのは、長期に渡り性能が変化しにくい事です。
・軸や軸受けは穴径を維持するため剛性と耐摩耗性、アームやカムなどは繰返し疲労で変形しないことなどが求められます。
製品
グレード
・テナック-C HC750、HC450
・テナック-C LZ750、LX750
・高機能コポリマー・グレード HC750、HC450;ホモの物性と、コの熱的耐性を併せ持った第三のポリアセタール。
・良流動・高摺動コポリマー・グレード LZ750、LX750;高機能コポリマーHC750をベースに、摺動剤を使い分け2グレードを用意。
特長
・テナックは機械特性をはじめ耐久・疲労性及び摺動性に優れる材料です
・特にホモとコの良い所を併せ持ったHCは機構部品に最適な材料と言えます
・HCをベースに摺動を施したLZ/LXは物性は勿論の事、摺動性能も優れています
・薄肉成形が可能です
関連リンク
導電性軸受
不導体であるプラスチックに導電性を付与する事により、今まで金属であった接点部品やアース部品を代替する事が出来ます。樹脂は成形で部品作製する事が出る事と、二次加工を省く事も可能なため、生産性・コスト面で優位と言えます。
製品
特長
・体積抵抗値が10^0~10^1Ω・cmレベルの優れた導電性を有します。
・TFC77は極めて安定した導電性と摺動性を兼ね備えています。
・TFC84は安定した導電性と、靭性に優れた性能を有します。
関連リンク
PIM(Powder Injection Molding:粉末射出成形)
PIMは金属又はセラミックの粉末にバインダーを加えて射出成形した後、脱脂・焼結することで小型、高精度の金属・セラミック部品を製造する技術です。
製品
グレード
超高流動グレード FF520, 9520
当社では、バインダーとして好適なポリアセタール樹脂を開発し
超高流動グレードとして市場に提供しております。
特長
・金属又はセラミック粉末とバインダーの混合物(フィードストック)の押出性、熱安定性に優れる
・フィードストックの成形性に優れる
・フィードストック成形体の強度
グレード一覧・物性一覧表
テナック™(ホモポリマー)
標準 | 高耐久 | 低VOC | ハイサイクル | 耐候 | 強化 | 潤滑 | 柔軟 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高粘度 | 2010 3010 |
MG210 | Z3010 | 2013A 3013A |
LT802 | |||
中粘度 | 4010 4060 5010 |
4050 | Z4060 | 5050 | 4013A 5013A |
GA510 GA520 |
LT804 LT200 FS410 LP402 LA543 LM511 |
4012 |
高流動 | 7010 | 7050 7054 |
GN705 | LS701 LL700 |
||||
超高流動 | 9054 |
テナック™-C(コポリマー)
標準 | 低VOC | HC | 傷付き 防止 |
耐候 | 強化 | 潤滑 | 導電 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高粘度 | 3510 | Z3510 Z3513 |
HC350 | 3513 | LT350 | |||
中粘度 | 4520 5520 |
HC450 HC550 |
HC460 | 4513 4563 |
GN455 CF452 CF454 NS556 |
LV450 | TFC64 TFC84 TFC77 |
|
高流動 | 7520 8520 9520 FF520 |
ZH760 | HC750 | HC760 | 7513 | GN752 GN755 MT754 |
EF750 EF850 |
|
LD755 |
製品データ/使用のヒント
QGFの配向と製品設計の注意点の関係は
ガラス繊維の方向性により、成形収縮率や強度が異なってきますので製品設計に当たって注意が必要です。
Qそり防止の手段は
Qアニーリング、調湿とは
調湿とは、吸湿性のある材料の成形品を湿度雰囲気下で強制的に吸湿させ寸法等を安定させる処理を行うことです。
Qモールドデポジットの除去方法は
これを除去するには、これらのものを良く溶解する溶剤で洗浄する方法が一般的で、旭化成の「MDバスター」「バスターマイルド™」が効果的です。
Qリワーク材とは、使うときの条件は
一般には、粉砕し粉砕品をそのまま使用するか、粉砕品を押出しペレット形状とし使用します。
リワーク材を使用する場合、リワーク前後の保管状態、リワーク回数、リワーク材の使用率(どれだけ混入させるか)、異物混入などの注意が必要です。
Q乾燥時の変色の物性への影響は
一般には、100℃以下、2ないし3時間が目安となりますが、100℃以下でも長時間、乾燥すると変色することが有ります。
変色があっても物性への影響は有りませんが、長時間、特に100℃以上で長時間乾燥し、極端に変色した場合は注意下さい。
Q収縮率と型温の関係は
非晶性樹脂のmPPE(ザイロン™)の成形収縮率は金型温度により比較的小さく変化します。
Q成形条件と結晶化の関係は
Q製品の最大肉厚、最小肉厚は
通常の肉厚は、1-3mmを基本とします。
Q予備乾燥は何故必要ですか、必ず必要ですか
QGFの形状は
Qグレード番号の見方は
Qマスターバッチとは
このように、マスターバッチとはある目的の添加剤等を高濃度で樹脂に配合した樹脂ペレットです。
Q結晶性樹脂と非晶性樹脂の違いは
Q高粘度と低粘度グレードの違いは
分子量が大きくなると溶融した時の粘度が高くなり(高粘度)、成形流動性が低くなりますが、物性面では靭性、疲労性が良好になります。
分子量が小さくなると溶融時の粘度が低くなり(低粘度)、成形流動性が良くなりますが、物性面では脆くなる傾向があります。
Q摺動グレードとは
Q無機フィラーの種類は
QPOMのホモ、コの違いは
ポリアセタール(POM)の場合、単量体の「ホルムアルデヒド」のみで重合されたポリマーがホモポリマーです。「ホルムアルデヒド」と他の単量体を重合して得られたポリマーがコポリマーです。
POMホモポリマーとPOMコポリマーのそれぞれの特性上の違いは、一般的に、ホモポリマーは機械特性に優れ、コポリマーは環境特性(熱・水等)に優れることです。
QULとは
1.UL-94:プラスチックス材料の燃焼試験:試験片の厚みにより、94HB、94V-2、94V-1、94V-0 があり、一般的に肉厚が薄い程燃焼しやすくなります。
2.UL-746A:プラスチックス材料の短期物性評価の規格で以下の2つが使用される。動的外力がかかるような使用環境下に適用され、熱可塑性樹脂の場合、引っ張り衝撃値で判定される(熱硬化性樹脂の場合はアイゾット値) 標示方法はMech,with imp静的外力のみがかかるような使用環境下に適用され、熱可塑性樹脂の場合は、引っ張り強さで判定される(熱硬化性樹脂の場合は曲げ強さ)、標示方法は Mech,w/o imp
3.UL-746B:プラスチックス材料の長期的物性評価の規格で以下が使用される。定格温度 10万時間、一定の温度で大気中で暴露された場合、初期の物性値(電気的、機械的特性など)が50%に低下する一定の温度を標示する、標示はRTI(Relative Thermal Index) で℃
4.UL-746C:プラスチックス材料の電気的用途評価の規格で評価レベルによりUL特性ランク標示される。( PCL:Performance Level Categories ) で以下の5つが使用される。
(1) 熱線着火性:材料が加熱され着火する程度を、着火秒数で評価、標示はHWI( Hot-Wire Ignition )PCLランクは0から5までの5段階であり、数字の小さい程良好である。
(2) 大電流アーク着火性:材料がアーク放電によって着火する程度を 、アーク数で評価、標示はHAI (High-Ampare Arc Resistance)PCLランクは0から4の5段階で数字の小さい程良好である。
(3) アーク抵抗:ASTM D495に準じるアークに起因する、導電路を形成する度合いを、秒数で評価、標示はD495として標示し、PCLランクは0から7の8段階であり、数字の小さい程良好である。
(4) 高電圧トラッキング:材料の表面に繰り返し高電圧低電流のアーク放電させ、材料が導電路を生じせしめる程度を評価、トラッキング速さ(ミリ/分)で評価、標示はHVTR( High Voltage Arc Tracking Rate )
(5) 耐トラッキング:材料に永久的な炭化導電路を生じせしめる電圧の程度を評価、標示はCTI( Comparative Tracking Index )、PCLランクは0から5までの6段階であり、数字の小さい程良好である。
5.UL-746D:プラスチックス材料の組立部品の規格
Q延性破壊と脆性破壊の違いは
このように材料に伸びがある場合を延性破壊といい、一方GF強化タイプの様に、応力-歪み曲線において明確な降伏点がなく、伸びが発生せずに破断する場合を脆性破壊と言います。