– 4680 NMCセルを用いた実証試験で高い安全性能を確認 –
技術・製品紹介
射出成形が可能な高機能樹脂として、安全性と設計自由度を両立
更新日:
2026.08.07
|公開日:
2026.08.07

技術・製品紹介
旭化成が展開する高機能樹脂「ザイロン™ G803Z」が、UL(Underwriters Laboratories)が制定する UL2596に規定されるバッテリーエンクロージャー耐性評価試験(BETR)をクリアしました。
UL2596は、リチウムイオンバッテリー(以下LiB)が熱暴走した際の高温・高圧環境において、筐体(エンクロージャー)が構造を維持できるかどうか、筐体の耐久性を評価する国際的な試験規格です。
この認証取得は、EVだけでなく、ESS(定置型蓄電システム)、産業機器、住宅用蓄電池など、さまざまなバッテリー用途への展開を加速する重要なマイルストーンとなります。
近年、脱炭素化の流れに伴い、バッテリーの用途は急速に拡大しています。
EVをはじめ、データセンターや工場のバックアップ電源、オフィスや住宅での蓄電池、さらにはロボット・農業機械など産業機器にもバッテリー搭載が進んでいます。
こうした多様なアプリケーションでは、以下のような課題が共通して求められています。
今回のUL2596における評価は、ザイロン™ G803Zがこれらの要求性能を高いレベルで満たすことを示すものです。
UL2596に規定された代表的な試験のBETR試験にて、ザイロン™ G803Zは以下の特性が確認されました。
これにより、EVバッテリーケースに加え、家庭用蓄電池筐体、産業用バッテリーモジュールの隔壁、バックアップ電源カバーなど、多様な用途に適合します。
セル設置後の試験装置
試験片設置後の試験装置
従来のUL2596適合材は、長繊維状の強化材によって機械的強度を付与していたため、製品設計に制約がありましたが、ザイロン™ G803Zは射出成形による複雑形状への対応が可能です。
これらの特長は、バッテリーシステムの高性能化と設計自由度の拡大に大きく貢献します。
旭化成株式会社/パフォーマンスプラスチックス事業部/ザイロン技術開発部
ザイロン™は、エネルギー分野の拡大を見据えた「次世代バッテリー材料」として、G803Zをはじめとした高耐熱・高難燃のグレード開発を進めています。バッテリー用途全般で共通する安全性・耐熱性ニーズに応えられる素材として、今回のUL2596規定のBETR試験クリアはその実力を確かな形で示すことができました。今後もさらなる性能向上に取り組み、バッテリー安全性の向上へ貢献していきます。
旭化成は今後も、拡大し続けるバッテリー市場に向けて、安全性・軽量化・設計自由度を同時に実現する材料ソリューションとして、ザイロン™の開発を進め、国内外のメーカー様へ積極的に提案してまいります。
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