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変性PPE樹脂「ザイロン™」によるEVバッテリー熱暴走安全性ソリューション
– 4680 NMCセルを用いた実証試験で高い安全性能を確認 –

2026.02.09

「ザイロン™」によるEVバッテリー熱暴走安全性ソリューション

技術・製品紹介

EVバッテリーに求められる「熱暴走対策」の重要性

電動二輪車を中心としたEV市場は、アジアおよびインドを中心に急速な成長を続けています。航続距離や出力性能の向上に伴い、バッテリーにはより高いエネルギー密度が求められる一方で、安全性の確保はこれまで以上に重要な設計要件となっています。

特に、セルの異常発熱が周囲のセルへ連鎖的に拡大する熱暴走は、EVバッテリーにおける最も深刻なリスクの一つです。インドのEVバッテリー安全規格 AIS-156 では、この熱暴走の抑制が重要な評価項目として定められています。

変性PPE樹脂「ザイロン™」 は、AIS-156 規格や次世代高エネルギーバッテリー向けの材料として、高い耐熱性・電気絶縁性・類焼防止性を発揮します。

UL Solutionsとの協業による熱暴走実証試験

ザイロン™の熱暴走抑制・類焼防止性能を検証するため、UL Solutionsと協業し、4680 NMC円筒形セルを用いたフルスケール熱暴走試験を実施しました。

<試験条件概要>

  • 使用セル:4680 NMC円筒形セル
  • セル間隔:2 mm
  • 状態:満充電
  • 試験方法:中心のセルを意図的に暴走させ、周囲セルへの影響を評価

<試験結果>

  • 周囲セルへの熱暴走は発生せず、ザイロン™の類焼防止性を確認
  • 周囲セルは正常電圧を維持
  • 高温・噴出物による構造破壊なし
  • 強い熱・機械ストレス下でもセルホルダーの形状を維持

これらの結果から、ザイロン™4680 NMCセルにおいても、熱暴走を効果的に抑制できることが確認されました。

左:試験前、ザイロン™でできたセルホルダーに円筒形バッテリーセルを配置、セル間隔2.0mm 右:試験後、同じセルホルダー、トリガーセル(中心)から周り4つの隣接セルでの熱暴走は発生しなかった。左:試験前、ザイロン™ 540Z(非強化)でできたセルホルダーに円筒形バッテリーセルを配置、セル間隔2.0mm
右:試験後、同じセルホルダー、トリガーセル(中心)から周り4つの隣接セルでの熱暴走は発生しなかった。

ハイセルウォール設計:ポッティングレスという新たな選択肢

従来、熱管理・熱暴走対策や構造安定性確保にはポッティング材やギャップフィラーを使用していましたが、これらは重量増・製造時間延長・リサイクル性低下といった課題があります。「ザイロン™」 は材料自体に優れた耐熱性・絶縁性・類焼防止性を有しており、ハイセルウォール構造を採用することで、ポッティング材を削減しつつ、安全性と軽量化を両立できます。

ハイセルウォール設計の主なメリット

✔ ポッティング材/ギャップフィラーの削減によるコストダウン
✔ ポッティングレス・薄肉成形により軽量化に貢献
✔ 優れた電気絶縁性・耐熱性
✔ ポッティングレスによるメンテナンス性・リサイクル性の向上
✔ 上記メリットによるエネルギー密度の向上

この構造設計により、不要な材料重量を増やすことなく安全規格への適合が可能となります。

ザイロン™が、次世代バッテリー設計におけるAIS-156対応の熱暴走対策・安全性向上をどのように実現できるか、ぜひお問い合わせください。

詳細なデータをご希望の方は下記フォームよりお問合せ願います

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関連情報

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変性PPE樹脂 ザイロン™

比重が小さく、難燃性、電気特性、寸法安定性に優れます。太陽光発電、EV、通信機器等に採用されています。

旭化成 エンプラ総合情報サイト 旭化成のエンジニアリングプラスチック・機能樹脂製品をご紹介いたします。ポリアセタール(POM)樹脂、ポリアミド(PA, ナイロン)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂を主に取り扱っており、樹脂の設計参考情報、事例、業界動向トレンド等をお届けします。 旭化成株式会社 旭化成 エンプラ総合情報サイト