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  • 耐トラッキング性などに優れたコネクタ向け樹脂材料

Summary

  • コネクタとは、ケーブル同士を接続し、電力や電気信号を繋ぐための部品・器具で、自動車や通信機器など、我々の日常生活で使用される電子機器に幅広く用いられています。
  • コネクタの主要マーケットである自動車、産業機器、通信、コンシューマーなどの分野では、いずれも大きな技術革新が進行しています。コネクタの主要マーケットである各分野のトレンドを簡単にご紹介します。
  • 旭化成は、コネクタ産業におけるお客様の製品作りをサポートするために、難燃性、各種電気特性、耐グローワイヤー性 (GWIT等) 、耐トラッキング性 (CTI)、耐候性 (UL746C f1, f2)、長期特性(UL746B RTI等)に優れたエンジニアリングプラスチックをご用意しています。

旭化成からのご提案

コネクタとは

コネクタとは、ケーブル同士を接続し、電力や電気信号を繋ぐための部品・器具で、我々の日常生活で使用される電子機器に幅広く用いられています。

 

電子機器の多機能化・高機能化に伴い、コネクタの機能・種類は増え、非常に多岐にわたります。例えば、自動車で使われるコネクタと言っても、センサーやカメラの情報・データをECUに繋げるコネクタと、電動化に対応したバッテリーとインバータを繋ぐ大電流・高電圧対応コネクタとでは、その仕様は異なります。

コネクタの機能・構造

コネクタに求められる基本的な機能は、電気的な接点としての接触接続機能と、結合分離機能です。

 

結合分離機能とは、“繋ぐ”と“切り離す”であり、コネクタによって、工具やはんだ付け無しで様々な製品の組み立て・部品交換・点検が容易になります。

コネクタの構造は対になっており、その形状によって「プラグとジャック」、「プラグとレセプタクル」、「オスとメス」と対となる組み合わせの名称が異なります。コネクタは、電気を通す端子(コンタクト)と、端子をまとめて接続を安定させ、外部からの衝撃や異物・水滴などから接続部を保護するためのプラスチックで出来たハウジング(インシュレーター)の2つの部品で構成されています。

コネクタの製造工程

コネクタの製造には、通常、以下4つの工程があります。

コネクタの製造4工程

  1. 端子の型打ち成形:プレス機を用いて、薄い金属板をプレス加工しコネクタの端子を作る。
  2. 端子のめっき処理:コネクタの端子の表面を錆や摩耗から守るために、電気導電性・耐食性が高い金属でコーティングする。
  3. ハウジングの射出成形:精密に加工された金型内に、各コネクタ製品の要求性能に適したエンジニアリングプラスチックを射出成形機内部で溶湯させ、圧力をかけながら流し込み、冷却・固化した部品を取り出す。
  4. 組立:めっき処理された端子をハウジングに取り付ける。

コネクタの用途

2019年の世界売上高のうち自動車向けが23.7%と最大の需要先であり、これに通信が22.4%、PC・周辺機器が13.4%で続きます。

 

自動車向けコネクタでは、従来よりECUをはじめ各種制御ユニット間を接続する基板対ケーブル用、基板対基板用コネクタが使用されています。

 

近年、電動化対応の高電圧用コネクタや、自動運転に向けたカメラ、レーダー等のADAS機器用の高速伝送対応コネクタ等、適用分野・需要が拡大しています。

※参照:調査会社TTI 「2019 Connector Industry Outlook

表. 2019年用途別コネクタ市場規模(調査会社TTIを基に旭化成作成)

コネクタの市場とトレンド

これまでご紹介してきた通り、コネクタはあらゆる産業・製品に用いられています。

 

近年のコネクタ市場の成長を支えている分野は、例えば電子化・電動化が進む自動車、5G化で高機能化が進むスマートフォン、自動化・省人化ニーズを背景とした産業機器、デジタルシフトや5Gによる通信関連、太陽光発電等の再生エネルギーの利用拡大などです。



その他にも民生関連で、ウエアラブル端末の需要増や、巣ごもり関連での白モノ家電・住設機器の増加等も、コネクタ需要を押し上げています。 

コネクタの主要マーケットである各種分野では、以下のような大きな技術革新が進行しています

  • 自動車:ADAS・自動運転や電動化への対応
  • 産業機器:ロボット、AI、IoTを中心とした自動化対応
  • 通信:5G通信基地局やデータセンター需要増加
  • コンシューマー:ウエアラブル機器の拡大やスマートフォン5Gミリ波端末の投入
  • 再生エネルギー:太陽光発電増加や高電圧化への対応

旭化成からのご提案

旭化成では、コネクタ産業におけるお客様の製品作りをサポートするために、難燃性、各種電気特性、耐グローワイヤー性 (GWIT等) 、耐トラッキング性 (CTI)、耐候性 (UL746C f1, f2)、長期特性(UL746B RTI等)に優れたエンジニアリングプラスチックをご用意しています。

例えば、耐トラッキング性・CTIに優れた樹脂材料を用いることで、沿面距離を最小化でき、製品の小型化・軽量化・コスト低減に貢献できます。

次世代ハロゲン&赤燐フリーPA66難燃グレード「レオナ™SNシリーズ」

近年、世界で環境負荷削減や労働者の安全性を重視する傾向が高まり、ハロゲンや赤燐不使用の要求が増えています。

 

そこで旭化成は環境・安全を考慮し、ハロゲンと赤燐を含まない難燃剤を使用する新しいポリアミド66樹脂(PA66樹脂、Polyamide 66、ナイロン66)レオナ™SNシリーズの開発に着手し、その完成に至りました。

レオナ用途事例

このポリアミド66樹脂(PA66樹脂、Polyamide 66、ナイロン66)レオナ™SNシリーズは非ハロゲン・非赤燐と言った特徴の他、優れたレーザー透過性を有し、それに際した高いレーザー溶着性やレーザー印字性が得られます。また芳香族PAを含む事から低発煙性にも優れ、高CTIや高RTI、高GWITなどの特徴もあります。

車載バッテリー周辺コネクタ

変性PPE樹脂ザイロン™ 644Zは、車載バッテリー周辺のコネクタにご使用いただいています。

LV214やUSCAR等の厳格さが求められる自動車OEM規格に適合するためには、樹脂材料にも信頼性が求められます。

ザイロン™ 644Zは優れた難燃性(UL 94 V-0、5VA)、長期特性(UL746B RTI 125℃)、耐トラッキング性(CTI PLC=2)、耐候性(UL746C f1)等の特徴を有しています。

ザイロン™ 644Z車載コネクター成形品イメージ

これらの特徴から、ザイロン™ 644Zは太陽光発電システムのジャンクションボックス等で多数の実績がある材料です(太陽光発電についての詳細はこちら)。

この特徴が評価され、中国大手電池メーカーの車載バッテリーコネクタにご利用いただいています。

太陽光発電

太陽電池コネクタ

変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂) ザイロン™ (PV40Z)は、耐トラッキング性と低温衝撃のバランスに優れ、小型高電圧対応コネクターの設計が可能です。

耐加水分解性、耐アンモニア性に優れ、高温高湿環境下でも、極端な物性低下を起こしません。

こちらは旭化成グループの環境貢献製品として、製品を使用する段階でCO2削減に貢献しております。

PVコネクター部品

太陽電池コネクタナット

ケーブルとコネクタの環濠部の防水・防塵ナットには、非ハロゲン難燃(V0)・易成形性を有するポリアミド樹脂(PA66樹脂、Polyamide 66、ナイロン66) レオナ™ FR370 をご提案します。

太陽電池コネクターナット

その他コネクタ

電気・電子部品の結線用のコネクタには、レーザー印字性、成形加工性、強度・靭性、電気特性(CTI)、耐熱性といった特性を有するポリアミド樹脂(PA66樹脂、Polyamide 66、ナイロン66) レオナ™ をご提案します。

 

ポリアミド66樹脂(PA66樹脂、Polyamide 66、ナイロン66)  レオナ™には、SNシリーズ(GF強化非ハロ難燃)、FRシリーズ(非強化難燃)、FGシリーズ(GF強化難燃)のラインナップがございます。


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