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耐候性などに優れた太陽光発電向け樹脂材料 エネルギー

Summary

  • 太陽光発電は、再生可能エネルギーである太陽エネルギーを利用する発電方法であり、SDGsの観点と発電コストの低減から、近年目覚ましい勢いで普及が進んでいます。
  • 太陽光発電に用いられる樹脂材料には、耐候性、低温衝撃特性、長期特性、各種耐熱性、難燃性、耐トラッキング性など、多くの性能が求められ、これらを数値に落とし込んだ規格・スペックを満たした材料の使用が推奨されています。
  • 旭化成は、難燃性(UL94 V-0, 5VA等)、耐トラッキング性(CTI)、耐候性(UL746C f1)、長期特性(UL746B RTI)、ボールプレッシャー温度等の耐熱性など、各種規格・認証を取得した材料を通して、お客様のモノづくりをサポートいたします。

旭化成からのご提案

太陽光発電とは

■太陽光発電とは

太陽光発電(Photovoltaics、PV)とは、光起電力効果を利用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池(半導体素子)を用いて、太陽光を直接電気に変換する発電方法です。再生可能エネルギーである太陽エネルギーを利用する発電方法であり、SDGsの観点と発電コストの低減から、近年目覚ましい勢いで普及が進んでいます。

 

国際エネルギー機関(IEA)によると、2010年から2020年にかけてPV設置電力量は年平均成長率24%でした。IEAは様々なシナリオに基づいた世界の発電容量の見通しを発表していますが、太陽光発電は様々な発電方法の中でも有望視されている発電方法の1つであり、市場は今後さらに拡大すると見込んでいます。

 

太陽光発電の特徴は主に以下の通りです:

  • 発電時に温室効果ガスを排出しない。
  • 設置する場所に制限がなく、どこにでも設置できる。
  • 需要地に近い場所に設置可能なため、送電コスト・損失を最小化できる。
  • 屋根や壁面にも設置でき、土地を占有せず設置できる。
  • 規模にかかわらず、発電効率が一定なため、小規模・分散利用可能。
  • 地産地消な電源として、送電設備のない遠隔地(山岳部等)の電源として、災害時の非常用電源として利用できる。
  • 夜間には発電できず、また昼間も天候等により発電電力が大きく変動する。

■太陽光発電の市場

太陽光発電(PV)は設置タイプによって、分散型発電(屋上型)と、大規模な(設備容量が1メガワットを超える)発電所規模の「メガソーラー」に使用方法が分かれます。IEAによると、PV設置数の6割近くが「メガソーラー」であり、残りが分散型です。

 

「メガソーラー」は元々畑だった土地や、水面に設置することで大規模運用を行っており、発電した電力はその場では使用せず、電力系統に送電されます。

 

また、最近では分散型、メガソーラーと共に、昼間に発電した電力を蓄電池に蓄電することで、電力利用の自由度を向上させる手法も広がっています。

 

世界各国で、太陽光発電は再生可能エネルギー・温室効果ガス排出量削減の目標を達成する手段として推進されており、各国の政策がこの市場を左右する重要なファクターになっています。

 

例えば、固定価格買い取り制度(Feed-in Tariff, FIT)や、従来からの助成金等があります。FITは、再生可能エネルギーの買い取り価格を法律で定めることにより、再生可能エネルギーに携わる電力事業者を優遇し、再生可能エネルギーの拡大を促進する制度です。助成金は、直接的にその設備導入・設置を補助するものです。

 

今後も各国における継続的な政策支援、および「メガソーラー」への投資拡大が継続すると見込まれています。

太陽光発電の構成

太陽光発電(PV)は、太陽電池だけで成立しているわけではありません。

太陽電池は、まずセルが最小単位となっています。太陽電池セルを複数個組み合わせ、パネル状に加工したものがモジュールです。モジュールはセルだけでなく、封止材、バックシート、ジャンクションボックス、ガラス、フレームから構成されています。複数のモジュールを直列接続したものがストリングであり、ストリングを並列接続したものをアレイと呼びます。

 

各モジュールで生成される電気はモジュール裏面に取り付けられたジャンクションボックスに集約された後、コネクタとケーブルを経由して外部へと接続されます。また、モジュールのジャンクションボックスでは一部のセルが破損・汚れ等により適切に機能しない際に、そのセルを経由せず電気を送るバイパスダイオードも組み込まれており、エネルギー損失を回避するために重要な機能を果たしています。

太陽光発電の各モジュールで発生する電気は直流であり、そのままでは利用できません。そのため、作られた電気はパワーコンディショナー(インバーター)に送られ、パワーコンディショナーが家庭内で使用できる交流の電気に変換します。

太陽光発電モジュールの構成図

太陽光発電に用いられる樹脂に求められる特性

太陽光発電(PV)の製品としての性能と安全性を担保するために、第三者認証機関でモジュールの試験と認証が行われます。世界的に有名な認証機関としてはULやTÜV Rheinland等が、日本ではJET等があります。モジュールとしての認証を受けるためには、モジュールに用いられる材料にも、安全性を考慮した様々な項目をクリアしていることが求められます。

 

太陽光発電の設備が稼働する環境は、その材料にとっては非常に過酷なものです。農地・水面・山の斜面等の屋外で、強い紫外線を浴びながら、雨風や零下の低温環境に耐える必要もあることから、耐候性、低温衝撃特性等が必要になります。また、目安として20年稼働が求められることから、長期特性も重要です。また、電気を生み出し安全に運ぶために、各種耐熱性、難燃性、耐トラッキング性等も求められます。これらの材料に求められる特性を、ULやTÜV Rheinlandでは試験方法と数値に落とし込んでいきます。こうして定められた、全ての厳しい規格・スペックを満たした材料の使用が推奨されています。

旭化成からのご提案

旭化成では、屋外で長期間用いられる太陽光発電(PV)モジュールのコネクタ、ジャンクションボックス向けにエンジニアリングプラスチックの開発・販売・お客様サポートを15年以上行ってきました。難燃性(UL94 V-0, 5VA等)、耐トラッキング性(CTI)、耐候性(UL746C f1)、長期特性(UL746B RTI)、ボールプレッシャー温度等の耐熱性など、各種規格・認証を取得した材料を通して、お客様のモノづくりをサポートいたします。

コネクタ、ジャンクションボックス向け樹脂材料「ザイロン™」

ザイロン™とは

ザイロン™は、ポリフェニレンエーテル (PPE) と他樹脂とのポリマーアロイの総称です。旭化成が製造販売を開始したのは1979年であり、エンジニアリングプラスチックにおいて長い歴史を持ち、幅広いポリマーアロイのラインアップを備えています。

 

ザイロン™は、優れた複数の特性を有します。高い耐熱性を備えた上、難燃性と絶縁性、寸法安定性、耐水性にも優れ、なおかつ低比重といった特長があります。さらに、相手となる他樹脂の特長も生かしながらPPEを添加することによってPPEの特長との相乗効果を狙ったポリマーアロイです。

ザイロン™の優れた性質

耐候性

変性PPE樹脂ザイロン™は耐候性に優れ、太陽光発電の設備が稼働する過酷な環境に対応します。

 

旭化成は、太陽光発電の部品用途を想定して、2011年から10年間、沖縄県にて機能材料の屋外暴露試験を実施してきました。その結果、改めて大きな強度低下のないことが確認できました。

暴露試験の様子(試験場所 沖縄県宜野湾市 南向き45°)

試験結果:暴露試験後のシャルピー衝撃強さ

アンモニア特性

また、変性PPE樹脂ザイロン™はアンモニア特性に優れます。元々農場・牧草地だった土地にソーラーパネルを設置する際、アンモニア特性が求められる場合があり、アンモニア特性を評価しました。結果、ザイロン™はアンモニア水溶液に浸漬してもほとんど劣化しませんので、農場などでの設置にも対応可能です。

試験結果:変性PPE樹脂ザイロン™ 製成形品のアンモニア水溶液浸漬試験

ご提案

太陽光発電ジャンクションボックス

変性PPE樹脂 ザイロン™ 540Z, 644Z, PV41Zは、耐トラッキング性、耐加水分解性、耐酸・アルカリ性・高温高湿下での機械物性に優れ、寸法変化が小さい材料です。

太陽電池ジャンクションボックス
 

 

太陽光発電コネクタ

変性PPE樹脂 ザイロン™ PV40Zは、耐トラッキング性と低温衝撃のバランスに優れ、小型高電圧対応コネクタの設計が可能です。

 

耐加水分解性、耐アンモニア性に優れ、高温高湿環境下でも、極端な物性低下を起こしません。

こちらは旭化成グループの環境貢献製品として、製品を使用する段階で二酸化炭素の削減に貢献しております。

PVコネクター部品

その他、インバーター等でも変性PPE樹脂ザイロン™ は採用・製品展開いただいております。

強度と耐熱性に優れた樹脂材料「レオナ™」

レオナ™ とは

レオナ™ は、旭化成が製造販売するポリアミド樹脂(PA66、ナイロン樹脂)の総称です。アジアで唯一原料から製品まで一貫生産しています。

 

耐熱、締め付けトルク耐性に優れるという特長を活かし、ザイロン™と組み合わせて使用することにより、より安定した部品設計が可能になります。

ご提案

太陽光発電コネクタナット

ケーブルとコネクタの嵌合部の防水・防塵ナットには、非ハロゲン難燃(V0)・易成形性を有するポリアミド樹脂 レオナ™ FR370 と、強度により優れたガラス繊維強化・難燃ポリアミド樹脂 レオナ™ FG171をご提案します。

ザイロン用途事例

その他、優れた耐熱性を活かし、ジャンクションボックス内の熱源であるダイオードを設置するベースプレート等にも展開いただいております。


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