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粉末射出成形 (PIM)のバインダーに適した超高流動の樹脂材料 粉末射出成形 (PIM)

Summary

  • 粉末射出成形 (Powder Injection Molding : PIM) は、金属又はセラミックの粉末にバインダーを加えて射出成形した後、脱脂・焼結することで小型かつ高精度の金属・セラミック部品を製造する技術です。
  • 旭化成は、粉末射出成形 (PIM) のバインダー樹脂として、超高流動なポリアセタールコポリマー「テナック™-C FF520」をご提案いたします。

旭化成からのご提案

粉末射出成形 (PIM) とは

粉末射出成形 (Powder Injection Molding : PIM) とは、金属又はセラミックの粉末にバインダーを加えて射出成形した後、脱脂・焼結することで小型かつ高精度の金属・セラミック部品を製造する技術です。

 

粉末冶金を発展させた金属部品製造方法の1つで、1970年代にアメリカで開発されました。従来の金属粉末治金法とプラスチック射出成形法を組み合わせたものです。従来の粉末冶金は「プレス成形」と呼ばれ、金属粉を金型に入れて比較的簡単な形状の部品を成形するものでした。これに対してPIMでは、射出成形と同じ原理で金属を成形することにより、形状が複雑な部品を大量生産することができます。

粉末射出成形(PIM)とは

PIMの中でも、金属粉末を用いるものを「Metal Injection Molding (MIM)」、セラミック粉末を用いるものを「Ceramics Injection Molding (CIM)」と呼びます。MIMとCIMの工程は、ほぼ同じです。

PIMのプロセス

ここでは、PIMのプロセスについて、金属粉末を用いる場合 (MIM) を例にご説明します。


まず、金属粉末とバインダー (プラスチック+ワックス) を均一に混練し、成形性の良いフィードストック・ペレットへとコンパウンドします。次に、ペレットを通常のプラスチックと同様に射出成形機で成形します。得られた成形体を加熱、溶媒、触媒等により脱脂し、バインダーを取り除きます。最後に焼結炉内で焼結することで、高精度な金属部品を得ることができます。射出成形直後の成形体は樹脂分を一定量含んでいますが、脱脂・焼結後はバインダー成分が取り除かれるため、複雑な三次元形状の金属組織を得ることができます。

PIM(粉末射出成形)

PIMの特長

PIMは、精密機器、電気・通信機器、さらに自動車や医療機器など幅広い分野において応用の可能性があるため、ニーズが拡大している加工方法です。金属製品をプラスチックと同じ成形方法で製造できることから、以下の特徴があります。

PIMの特長

  • 高精度・複雑形状の部品製造が可能
  • 金属材料選択の自由度が高い
  • 量産性に優れ、品質バラツキが少ない
  • 切削などの後工程処理が不要
  • 製品の大型化が難しいため、小型部品に限られる 

PIMのバインダーに用いられる樹脂

PIMのバインダーに用いられる樹脂に求められるポイントは、下記です。

PIM バインダー樹脂に求められるポイント

  • 金属またはセラミック粉末とバインダーの均質な混合物 (フィードストック) を得られること
  • フィードストックの加工・成形性が良好であること
  • 昇温時の強度低下が少ないこと

PIM のバインダーとして用いられる樹脂の中でも、ポリアセタール (POM、ポリオキシメチレン) 樹脂は、加工性・寸法安定性・機械強度に優れ、融点を超えるまで各種物性が安定的な結晶性樹脂です。
ギア等の精密樹脂部品の射出成形で主に用いられる材料ですが、この特性をそのままPIMに活かすことができます。

旭化成からのご提案

旭化成は、粉末射出成形 (PIM) のバインダー樹脂として、超高流動なポリアセタールコポリマー「テナック™-C FF520」をご提案いたします。

ポリアセタールコポリマー「テナック™-C FF520」

「テナック™-C FF520」は、粉末射出成形 (PIM) のバインダー樹脂用として開発された超高流動なポリアセタールコポリマーです。

 

PIM技術においてポリアセタール (POM) は、POM自体の高い強度と、酸や熱により残渣なく分解される特長から、バインダーを構成する樹脂として用いられています。「テナック™-C FF520」は、POMの優れた機械特性を維持しつつ、非常に高い流動性を有しています。

テナック™-C FF520と、PIMで用いられる各樹脂の一般物性(参考値)の比較

テナック™-C FF520と、PIMで用いられる各樹脂の一般物性(参考値)の比較

テナック™-C FF520を用いて作製したISO2740ダンベルの焼結体

テナック™-C FF520を用いて作製したISO2740ダンベルの焼結体

詳細は、ダウンロード資料をご覧ください

課題解決に、旭化成の「テナック™-C FF520」を是非ご検討下さい。
より詳細な情報は、下記のダウンロード資料をご覧ください。

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