ポリアミド(PA)樹脂
レオナ™
1972年5月に製造販売を開始、ポリアミド66の事業分野において、アジアで唯一原料から製品まで一貫生産しています。コスト競争力のある当社独自のシクロヘキセン法シクロヘキサノール、アジピン酸等の原料、エアバッグ・タイヤコード等の繊維、さらに、レオナ™樹脂として幅広くポリアミド「レオナ™」事業を展開しております。
生産能力
76,000トン/年
ポリアミド(PA)樹脂
レオナ™
1972年5月に製造販売を開始、ポリアミド66の事業分野において、アジアで唯一原料から製品まで一貫生産しています。コスト競争力のある当社独自のシクロヘキセン法シクロヘキサノール、アジピン酸等の原料、エアバッグ・タイヤコード等の繊維、さらに、レオナ™樹脂として幅広くポリアミド「レオナ™」事業を展開しております。
生産能力
76,000トン/年
レオナ™とは
レオナ™樹脂とは、旭化成が製造販売するナイロン66樹脂(ポリアミド66樹脂、 略号:PA66)の総称です。
ナイロン66樹脂(強化系)は、耐熱性や強度・剛性に優れたエンジニアリングプラスチックです。レオナ™樹脂は、強化技術やアロイ技術により幅広いグレードラインナップを有しており、お客様のニーズに応じて最適なグレードを提供します。
レオナ™の特長
汎用エンジニアリングプラスチック(エンプラ)の中におけるレオナ™樹脂の特長を 以下に示します。
長所
1. 耐熱性が優れています
2. 強靱性、耐久性、電気特性等に優れ、その特性のバランスに優れます
3. 耐油性に優れています
短所
1. 吸水時の寸法変化を加味して設計する必要がございます。
2. 酸性物質と接触する用途には注意が必要です。
ガラス繊維強化レオナ™樹脂の特徴
長所
1. 強度剛性に優れます
2. 強靱性、耐久性、電気特性等に優れ、その特性のバランスに優れる
3. 吸水性が改善され、寸法安定性が良くなります
短所
1. 繊維強化樹脂用の成形機スクリューを使用する必要がございます。

レオナ™樹脂の製造
レオナ™樹脂は、弊社独自の技術で、原料から製品まで一貫生産しています。
レオナ™ 用途事例
グレード一覧・物性一覧表
標準一般 | 長期耐熱性 | 難燃性 | 摺動性 | 良外観高剛性 | 吸水時高剛性 | 良外観高靭性 | 低吸水 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
非強化 | 1300S | 1402S | FR200 FR370 FR650 |
1442 | ||||
GF強化 | 13G15 1300G 13G43 13G50 |
14G15 14G25 14G30 1402G 14G33 14G35 14G43 14G50 |
FG170 FG172 FG171 FG173 FH772 SH10E SN10B SN103 |
90G33 90G50 90G55 90G60 |
SG104 SG105 SG106 |
93G33 54G33 54G43 |
BG230 53G33 |
|
特殊複合化 | CR301 CR302 1330G |
CR103 MR001 |
91G55 91G60 |
|||||
耐衝撃 | TR161 TR382 |
|||||||
高分子量 | 1500 1700S 9400S |
1502 1502S 1702 |
1542 |
グレード検索・個別物性表
製品データ/使用のヒント
Qレオナ™の成形収縮と吸水寸法変化の関係は
ガラス繊維や無機フィラーを含む材料のほうが、一般的には含まない材料より成形収縮率は小さくなります。
レオナ™は吸水(吸湿)性があり、吸水(吸湿)により寸法は大きくなります。
QGFの配向と製品設計の注意点の関係は
ガラス繊維の方向性により、成形収縮率や強度が異なってきますので製品設計に当たって注意が必要です。
Qそり防止の手段は
一般に結晶性樹脂は成形収縮率が大きく、そりが発生しやすく、またガラス繊維強化樹脂はガラス繊維の成形時における配向の度合いにより、そりが発生しやすくなります。
したがって、成形収縮率の異方性を少なくするための工夫、肉厚変化を少なくするため形状設定、ゲートバランス等の改善や、成形条件面からは金型温度を高く、冷却時間を長くする等の対策を行います。
また、材料的には、無機充填材補強タイプのうち、異方性の少ない、球状、板状形態の無機充填材配合タイプがそり防止対策に効果があります。
Qアニーリング、調湿とは
調湿とは、吸湿性のある材料の成形品を湿度雰囲気下で強制的に吸湿させ寸法等を安定させる処理を行うことです。
Qモールドデポジットの除去方法は
これを除去するには、これらのものを良く溶解する溶剤で洗浄する方法が一般的で、旭化成の「MDバスター」「バスターマイルド™」が効果的です。
Qリワーク材とは、使うときの条件は
一般には、粉砕し粉砕品をそのまま使用するか、粉砕品を押出しペレット形状とし使用します。
リワーク材を使用する場合、リワーク前後の保管状態、リワーク回数、リワーク材の使用率(どれだけ混入させるか)、異物混入などの注意が必要です。
Q乾燥時の変色の物性への影響は
一般には、100℃以下、2ないし3時間が目安となりますが、100℃以下でも長時間、乾燥すると変色することが有ります。
変色があっても物性への影響は有りませんが、長時間、特に100℃以上で長時間乾燥し、極端に変色した場合は注意下さい。
Q収縮率と型温の関係は
非晶性樹脂のmPPE(ザイロン™)の成形収縮率は金型温度により比較的小さく変化します。
Q成形条件と結晶化の関係は
Q製品の最大肉厚、最小肉厚は
通常の肉厚は、1-3mmを基本とします。
Q予備乾燥は何故必要ですか、必ず必要ですか
従って、安定的な成形加工を行うためには予備乾燥を行っていただく必要があります。
QGFの形状は
ペレット状のガラス繊維強化プラスチックに含まれるGFの長さはプラスチックスに混ぜられる時の条件により変わり、-数mmになります。
Qグレード番号の見方は
Qハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤とは
非ハロゲン系とは塩素や臭素を含まない難燃剤を称します。
Qマスターバッチとは
このように、マスターバッチとはある目的の添加剤等を高濃度で樹脂に配合した樹脂ペレットです。
Q結晶性樹脂と非晶性樹脂の違いは
結晶性樹脂においても、すべての高分子が結晶状態になることはなく、結晶状態と非晶状態が混在しています。
具体的には、結晶性樹脂にはポリアミド、ポリアセタール、などがあり、非晶性樹脂にはポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、などがあります。一般的には、結晶性樹脂は硬く、剛性があり、非晶性樹脂は耐衝撃性に優れ、透明性を有することが特徴です。
Q高粘度と低粘度グレードの違いは
分子量が大きくなると溶融した時の粘度が高くなり(高粘度)、成形流動性が低くなりますが、物性面では靭性、疲労性が良好になります。
分子量が小さくなると溶融時の粘度が低くなり(低粘度)、成形流動性が良くなりますが、物性面では脆くなる傾向があります。
Q無機フィラーの種類は
又、形状的にワラストナイトのような針状のフィラー、タルク、マイカのような板状のフィラー、炭酸カルシウムのような球・粒状のフィラーが有ります。
QULとは
正式には、Underwriters Laboratories Inc, 規格です。合成樹脂材料に関する認定制度があり、合成樹脂に関係の深いものとしては、以下の5つです。
1.UL-94:プラスチックス材料の燃焼試験:試験片の厚みにより、94HB、94V-2、94V-1、94V-0 があり、一般的に肉厚が薄い程燃焼しやすくなります。
2.UL-746A:プラスチックス材料の短期物性評価の規格で以下の2つが使用される。動的外力がかかるような使用環境下に適用され、熱可塑性樹脂の場合、引っ張り衝撃値で判定される(熱硬化性樹脂の場合はアイゾット値) 標示方法はMech,with imp静的外力のみがかかるような使用環境下に適用され、熱可塑性樹脂の場合は、引っ張り強さで判定される(熱硬化性樹脂の場合は曲げ強さ)、標示方法は Mech,w/o imp
3.UL-746B:プラスチックス材料の長期的物性評価の規格で以下が使用される。定格温度 10万時間、一定の温度で大気中で暴露された場合、初期の物性値(電気的、機械的特性など)が50%に低下する一定の温度を標示する、標示はRTI(Relative Thermal Index) で℃
4.UL-746C:プラスチックス材料の電気的用途評価の規格で評価レベルによりUL特性ランク標示される。( PCL:Performance Level Categories ) で以下の5つが使用される。
(1) 熱線着火性:材料が加熱され着火する程度を、着火秒数で評価、標示はHWI( Hot-Wire Ignition )PCLランクは0から5までの5段階であり、数字の小さい程良好である。
(2) 大電流アーク着火性:材料がアーク放電によって着火する程度を 、アーク数で評価、標示はHAI (High-Ampare Arc Resistance)PCLランクは0から4の5段階で数字の小さい程良好である。
(3) アーク抵抗:ASTM D495に準じるアークに起因する、導電路を形成する度合いを、秒数で評価、標示はD495として標示し、PCLランクは0から7の8段階であり、数字の小さい程良好である。
(4) 高電圧トラッキング:材料の表面に繰り返し高電圧低電流のアーク放電させ、材料が導電路を生じせしめる程度を評価、トラッキング速さ(ミリ/分)で評価、標示はHVTR( High Voltage Arc Tracking Rate )
(5) 耐トラッキング:材料に永久的な炭化導電路を生じせしめる電圧の程度を評価、標示はCTI( Comparative Tracking Index )、PCLランクは0から5までの6段階であり、数字の小さい程良好である。
5.UL-746D:プラスチックス材料の組立部品の規格
Q延性破壊と脆性破壊の違いは
このように材料に伸びがある場合を延性破壊といい、一方GF強化タイプの様に、応力-歪み曲線において明確な降伏点がなく、伸びが発生せずに破断する場合を脆性破壊と言います。