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電波透過性や寸法安定性の向上に貢献する
ADAS部品向け樹脂材料 自動車

Summary

  • ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems,先進運転支援システム)とは、ドライバーの安全・快適を実現するために、運転を支援する機能の総称です。
  • ADASを構成する代表的なセンサー・デバイスとして、カメラ、ミリ波レーダー、ヘッドアップディスプレイ (HUD)が挙げられます。
  • 様々な事故を未然に防ごうと、近年、安全機能・安全装置の義務化が実施・予定されていることなどを背景に、カメラ、ミリ波レーダー等を含むADASに関連するセンサー部品市場は拡大することが見込まれています。
  • 旭化成は、カメラ、ミリ波レーダー、ヘッドアップディスプレイ等の、ADAS部品向けの樹脂材料と技術支援を提案し、安心・快適な移動の実現を支援します。

旭化成からのご提案

ADASとは

ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems,先進運転支援システム)とは、ドライバーの安全・快適を実現するために、運転を支援する機能の総称です。自動車にセンサーを搭載して周囲の情報を把握し、ドライバーに的確に表示・警告を行う機能や、ドライバーに代わって自動車を制御する機能などがあります。

 

より安全な移動を求める声に対応して、これからの自動車には、事故を起こさないための技術の開発とその導入が必要とされています。事故を未然に防ぐためには、車内外の安全を検知・判断・制御する必要があり、車の電動化のトレンドと共に、自動車用センサーの種類・数は増え続けています。

 

ADASを構成するセンサー・デバイス

ADASを構成する部品は、車内外の状況を検知するセンサー類、検知した情報を基に判断するECU(Electronic Control Unit)、判断した内容を基に動作するアクチュエータ・電動部品、判断した情報を表示・伝えるディスプレイ等で構成されています。ここでは、ADASを構成する代表的なセンサー・デバイスとして、カメラ、ミリ波レーダー、ヘッドアップディスプレイ (HUD)をご紹介します。

自動運転オートパイロット車の技術、レーダー、360、センサー、カメラ、レーザー。人工知能が道路をデジタル化・解析。センサーが前方の車両、危険、速度制限をスキャンする

■カメラ

撮影した画像をリアルタイムで解析することで、車両、障害物、人等を検知します。一般的に悪天候、夜間には不向きとされています。フロントビュー、リアビュー、アラウンドビュー、ドライバーモニタリング等、様々な箇所に用いられます。カメラの検知能を高めるための、さらなる高解像度化・撮影範囲の拡大などが要求されています。

■ミリ波レーダー

24GHz, 76GHzを代表とする波長の短い電波を対象物に照射し、戻ってきた電波を検出することで対象物までの距離と方向を検知します。カメラと組み合わせることで、画像認識と電波の複合検知ができ、安全性をより高めることができます。また、前後左右や室内に搭載することで、死角を作らず対象物を検知することができます。

 

その他にも、LiDAR(Laser imaging Detection and Ranging、レーザー画像検出)、超音波センサー、GPSセンサー、ジャイロセンサーのような様々なセンサーがあります。

■ヘッドアップディスプレイ (HUD)

検知した情報を的確にドライバーに伝える新しいデバイスも普及しはじめており、その代表的なものとして、ヘッドアップディスプレイが挙げられます。ヘッドアップディスプレイ は、ダッシュボード内に格納されたHUDユニットからの映像をミラーで反射・拡大させ、フロントガラスに投影する装置です。

 

ADAS部品市場の拡大

カメラ、ミリ波レーダー等を含む、ADASに関連するセンサー部品市場は、Markets and Marketsによると、2021年から2030年にかけて年成長率(CAGR)11.9%が見込まれています。

 

今後の安全義務化対応や、自動運転システムの高度化等がADAS市場を牽引する見込みです。

※参照:Markets and Markets 「ADAS Market worth $74.9 billion by 2030

ADAS市場の拡大を牽引する安全義務化

センシング技術の発展に伴い、様々な事故を未然に防ごうと、安全機能・安全装置の義務化が実施・予定されています。代表的な安全装置・安全機能は下記のとおりです。

■衝突被害軽減ブレーキ (AEBS, Advanced Emergency Braking System)

カメラやレーダーにより、 車や歩行者等との衝突の可能性が検知されると、ドライバーへの警報を発した後に自動ブレーキが作動するシステムです。日本国内では、高齢運転者による交通事故防止対策の一環として、国土交通省の衝突被害軽減ブレーキ認定制度があり、一定の性能規格をもつ自動ブレーキが「AEBS」と呼ばれています。

■後退時車両直後確認装置

バックカメラやバックソナーといった検知システムにより、後退時に車両の後ろなどにいる子供などを発見することを補助する装置です。

■子供の置き去り検知 (CPD, Child Presence Detection)

ミリ波レーダーやカメラ等のセンシング技術により、子供の置き去りを検知し、置き去り状況をドライバーや周囲に通知することで、未然に事故を防ぎます。欧州の安全テストプログラムEuro NCAPにて、2023年から導入予定であり、今後、世界中に広がると予想されます。

子供の置き去り検知イメージ

その他にも、義務化されてはいませんが、SAE(Society of Automotive Engineers) Internationalの定義の自動運転レベル2(部分的運転自動化)に伴う、運転タスクの中のサブタスクを支援するための各種機能の搭載が進んでいます。例えば、定速走行・車間距離制御システム(ACC, Adaptive Cruise Control)等が代表例です。

旭化成からのご提案

旭化成は、カメラ、ミリ波レーダー、ヘッドアップディスプレイ等の、ADAS部品向けの樹脂材料と技術支援を提案し、安心・快適な移動の実現を支援します。

ADAS車載カメラ筐体、ルームミラーブラケット向け樹脂材料

カメラ筐体、ルームミラーブラケット向け樹脂材料に求められる性能

カメラ部品向け素材には、様々な環境での安定した寸法精度と低寸法変化が求められますが、筐体では特に外観性が求められます。また、ルームミラーブラケットはこれまでの単純な鏡を収めるものではなく、各種センシング機能も含む形で進化しており、センシング部品由来の熱に耐える耐熱性や重量増に耐えられる高剛性が求められます。

ルームミラーブラケット

ここで用いられる樹脂材料には、内装部品としての良外観性、高い剛性による振動抑制、吸水時の寸法・物性変化の抑制が求められています。

吸水に伴う寸法・性能変化を抑制し、優れた強度・剛性と良外観性を兼ね備える樹脂材料
レオナ™ SG105・SG115

旭化成のポリアミド樹脂レオナ™ SG105およびSG115は、半芳香ポリアミド6Iとポリアミド66のアロイグレードです。
吸水時の寸法変化と物性低下を抑え、高い比強度、高い剛性、良外観、優れた流動性を特徴としています。

  • レオナ™ SG105のデータシートはこちら

ADAS車載カメラ鏡筒・レンズスペーサー向け材料

車載カメラ向け樹脂材料に求められる性能

カメラ部品向け素材には、様々な環境での安定した寸法精度と低寸法変化が求められます。

鏡筒・レンズスペーサー

様々な環境下での寸法精度と寸法安定性に優れる樹脂材料 ザイロン™ XP640・DG040・DG340

自動車に搭載される各種カメラに使用される鏡筒・レンズスペーサーには、以下2グレードのザイロン™をご提案します。

 

■ザイロン™ XP640
高耐熱PA(PPA)とPPEのアロイグレードです。低吸水性が特徴であるPPEをPPAとアロイすることにより、PPAの吸水率を抑制しながら、高耐熱PA並みの高耐熱・高強度・高剛性のパフォーマンスを発揮します。

 

■ザイロン™ DG040, DG340
PPSとPPEのアロイグレードです。高温環境下の機械強度低下が小さく、特殊ガラスフィラー配合により寸法変化の異方性が小さいことが特徴です。

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ADASミリ波レーダー筐体向け樹脂材料

ミリ波レーダー筐体(レドーム)向け樹脂材料に求められる性能

レーダーは、アンテナ基盤と筐体から構成されています。このうち筐体は基盤を保護するだけでなく、電波を送受信のために透過する役割を担っており、レドームとも呼ばれます。

 

最外装であるレドームには、軽量化や耐候性の要求に加え、電波透過性を向上させるために低誘電特性が求められます。特に、ミリ波のような高周波帯域では、レドームによる電波の減衰を抑えることが重要です。そこで、部品を構成する素材の比誘電率(Dk)・誘電正接(Df)がポイントになります。比誘電率や誘電正接は電波の減衰性と関係があり、これらの数値が高いと「電波が素材に吸収されやすく」なるため、電波損失 (ロス) に繋がり、通信感度に影響します。

電波透過性の向上に貢献する低誘電の樹脂材料 ザイロン™開発材「AA181-7」

旭化成の変性PPE樹脂ザイロン™の母材であるPPEは、低誘電率、低誘電正接という特徴を備えることから、情報通信分野での適用に適しています。またPPEは、高いガラス転移温度を有しており、他の高耐熱性樹脂に比べて誘電特性の温度依存性が小さい点も特徴です。これは、さまざまな温度環境を想定される中で安定した通信品質を確保する上で、重要な利点です。

中でも、ザイロン™開発材「AA181-7」は、耐加水分解性および高衝撃性に優れ、従来の材料では困難であった難燃性 (UL94V-0) と低誘電特性の両立を実現しています。

これまで、レドームの材料にはポリカーボネート (PC) 、ポリブチレンテレフタレート (PBT) 、ポリフェニレンサルファイド (PPS) などが使用されてきましたが、誘電特性の観点では十分ではありません。特にPBT, PPSといった結晶性樹脂ではガラス転移温度 (Tg) を境に樹脂の特性が変化してしまうため、高温環境における誘電特性には注意が必要です。

 

旭化成のザイロン™開発材「AA181-7」をレドームに採用することで、その課題解消が期待できます。ザイロン™は、このほかにもレドーム向け材料として耐光変色抑制グレード等の開発も進めており、ミリ波レーダー筐体(レドーム)の幅広いニーズにお応えすることができます。

ザイロン™開発材「AA181-7」レドーム電波透過性シミュレーション結果

ザイロン™開発材「AA181-7」レドーム電波透過性シミュレーション結果

*「AA181-7」はあくまで開発段階の仮称であり、今後、正式な製品化に際してグレード名が変わることをご了承ください。

  • ザイロン™開発材「AA181-7」など「旭化成の5G通信向け低誘電材料」の詳細はこちら

ADASヘッドアップディスプレイ向け材料

ヘッドアップディスプレイ (HUD) 向け樹脂材料に求められる性能

ヘッドアップディスプレイ向けの樹脂材料には、映像をミラーで反射させるための高い寸法変化精度と、ダッシュボード内高温時の寸法変化の抑制が求められます。

ヘッドアップディスプレイ

寸法変化精度や高温時の寸法安定性に優れる樹脂材料 ザイロン™ DG040・744Z

ヘッドアップディスプレイには、以下2グレードのザイロン™をご提案します。

 

■ザイロン™ DG040
PPSとPPEのアロイグレードです。PPSにPPEを配合することで高温時の寸法安定性を向上、特殊ガラスフィラー配合で寸法異方性を軽減します。

 

■ザイロン™ 744Z
PPEとPSのアロイグレードです。UL難燃V-0、荷重たわみ温度135℃、耐熱・靭性・寸法安定性のバランスに優れた材料です。

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