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プリンターをはじめとするOA機器向け樹脂材料 OA

Summary

  • プリンター(印刷機)とは印刷用の機械の総称であり、様々な印字方式が存在しています。中でも、インクジェット方式と乾式電子写真方式が広く普及しています。
  • プリンター市場では、世界的にも日本企業が高いシェアを有しており、旭化成は様々な印刷方式・様々な部品においてお客様のモノづくりをサポートしてきました。
  • ここでは、プリンター内部シャーシ、インクヘッド周辺部品に用いられる変性PPE樹脂ザイロン™と、各種歯車・機構部品や導電軸受等に用いられるPOM樹脂テナック™についてご紹介いたします。

旭化成からのご提案

プリンターとは

自宅やオフィスなど日常生活のあらゆる場面で広く用いられているOA機器、プリンターについてご紹介します。

 

OA機器とはOffice Automationの略であり、Officeの業務を快適化する企業向け情報機器の総称で、プリンターやパソコン、プロジェクター、シュレッダー等が含まれます。

 

プリンター(印刷機)とは、印刷用の機械の総称で、OA機器のプリンターというと、主に、FAX・コピー(複写)・スキャン機能を有した複合機・複合型プリンターを指します。このプリンターには、様々な印字方式(紙等の対象物に情報を転写する方法)が存在しています。プリンターの印字方式は、大きく、「インパクト方式」と「ノンインパクト方式」の二つに分けることができます。

ノンインパクト方式の種類

ノンインパクト方式で現在の社会で広く用いられているものは大きく4つあり、「インクジェット方式」、「乾式電子写真方式」、「感熱方式」、「熱転写方式」に分けられます。この中でも、特にインクジェット方式と乾式電子写真方式が広く普及しています。

  • インクジェット方式
    インクジェット方式とは、インクに圧力を加えることによってプリンターヘッドからインクの微粒子を射出させる方式です。プリンターヘッドの噴射孔の微細化とインクの多色化により、高画質を実現できます。インクに圧力を加える方式によって、ピエゾ方式とサーマル方式に分けられます。
    ピエゾ方式は、電圧を加えると変形するピエゾ素子を用いた方式です。ピエゾ素子をインクの入った微細管に取り付け、ピエゾ素子に電圧を加えて変形させることによって、インクを管外へと吐出させます。
    サーマル方式は、ヒーターによる加熱によりインクを沸騰させ、できる気泡によってインクを吐出する方式です。
    これらのインク吐出機構を複数集積したものを、インクヘッド・プリントヘッドと呼びます。インクカートリッジ内のインクタンクから供給されたインクを紙との印字媒体に塗布していきます。プリンターの機構として、印字媒体が動く方向と直角方向にインクヘッドを往復させて印字を行う方式を「シリアルヘッド方式」と呼び、ホームユースでも用いられる一般的な機構となっています。一方、インクヘッドを印字媒体と同じ長さにまで延長・固定し、ヘッドは動かずに印字媒体の動きのみで印刷を行う「ラインヘッド方式」もあります。こちらは高速で鮮明に印字を行えることから、ポスター・ラベル等の商業・産業用印刷等でも用いられる方式です。
    また、インクジェット方式で用いられるインクには、水系のインクが用いられ、主に顔料インクと染料インクに分けられます。インクはシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)を混ぜて他の色を表現する減色法が用いられ、ここに黒色表現のためのブラック(Bk)インクの4色インクが基本となっています。一般的に、顔料インクは、耐水性・耐光性に優れ、印刷後の色にじみ・変化が少ないことがメリットとされる一方、光沢が出にくく、乾燥が遅いことが短所とされています。染料インクは、顔料インクと逆の特性を持っており、色の再現性が高く、光沢が出やすく、乾きやすいですが、耐水性・耐光性が低く、印刷後の色の変動も大きいことが欠点とされています。

 

  • 乾式電子写真方式
    一般的に、「レーザープリンター」あるいは「レーザービームプリンター(LBP)」として知られる方式です。帯電させた感光体(ドラム)に対して、レーザー光などで印刷したい内容を照射し、顔料粉末(トナー)を付着させ、用紙に転写した上で熱と圧力をかけて定着させる方式です。光はレーザーだけでなく、発光ダイオード(LED)を用いる場合もあり、その場合は「LEDプリンター」と呼びます。主に、業務用で用いられ、業務用の複写機(コピー機、PPC複写機)も、この方式が多いです。また、1行ごとに印刷するのではなく、1ページごとに印刷をするので「ページプリンター」とも呼ばれます。

 

  • 感熱方式
     感熱方式は、熱を加えることで変色する特殊な用紙(感熱紙)に、通電によって熱したプリントヘッド(サーマルプリントヘッド)を押し当てて印刷する方式です。ダイレクトサーマルプリンターとも呼びます。レジのレシートプリンターや、食品表示や物流ラベルの発行などに活躍するラベルプリンターなどで使用されています。

 

  • 熱転写方式
     感熱方式と似ていますが、感熱紙の代わりにインクが塗布されたインクリボンにサーマルプリントヘッドを押し当てて、インクを熱によって紙に転写する印字方式です。昇華プリンターとも呼びます。家庭用のFAXのプリンターなどで使用されています。

インパクト方式の種類

インパクト方式には、「ドットインパクト方式」があります。

  • ドットインパクト方式
     方式ドット(点)に対応する細いピンを紙上に配置したインクリボン(インクを塗布した帯状のフィルム)に叩きつけ(インパクト)、点の集まりで文字を表現する方式です。プリンターではありませんが、古く用いられていたタイプライターと似た原理です。レーザープリンター、インクジェットプリンターの普及によって、一般プリント用途からドットプリンターは姿を消してしまいましたが、複写式の紙に対しても印刷できることから、宅配便の送り状、ビジネスの伝票、預金通帳への印字等で今もなお広く用いられている方式です。

プリンター市場概況とトレンド

JEITA 情報・産業システム部会によると、2019年のプリンター市場は全世界で9,851万台(前年比93%)でした。一般消費者向けの市場としては成熟期に入っていると見られており、スマートフォンの普及や各種デジタル化の進行により、市場が縮小している領域もあります。

 

一方、デジタル化が進む商業・産業印刷を成長領域として取り込むことや、MPS(Managed Print Service)等の大企業向けソリューションビジネスが広がっています。

 

また、従来からのトレンドとして、環境ラベル(エコラベル)認定制度の取得があります。世界各国・地域には様々な環境ラベルがあり、それぞれ環境配慮への要求基準は異なります。ここでは代表的なものをご紹介いたします。

世界各国の代表的な環境ラベル

  • ブルーエンジェル (The Blue Angel、ドイツ):ドイツ連邦環境庁とドイツ品質保証・ラベル協会が運営している制度。世界で初めて導入されたエコラベル。
  • ノルディックスワン (Nordic Swan、北欧):北欧エコラベル委員会が運営している制度。北欧5カ国(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、アイスランド)に共通するエコラベルであり、多国間の制度として世界で初めて導入。
  • EPEAT (Electronic Product Environmental Assessment Tool、US):米国電気電子学会 (Institute of Electrical and Electronics Engineers, IEEE) が策定したIEEE1680という規格を基に、米国のグリーン・エレクトロニクス協議会 (GEC) という非営利団体が管理・運用する、電子製品などの環境評価システム。製品のライフサイクル全体における適合性が評価され、必須要求事項とオプション要求事項の2種あり、適合割合により「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3段階にランク付けされる。
  • 中国環境表示(中国):国家環境保護総局環境認証センターが運営する、中国政府の環境ラベル。
  • エコマーク(日本):公益財団法人日本環境協会が運営している環境ラベル。製品のライフサイクル全体を通した環境への影響を総合的に判断。

旭化成からのご提案①

内部シャーシ、インクヘッド周辺部品向け樹脂材料「ザイロン™」

プリンター内部シャーシ、インクヘッド周辺部品に用いられる変性PPE樹脂ザイロン™についてご紹介いたします。

ザイロン™とは

ザイロン™は、ポリフェニレンエーテル (PPE) と他樹脂とのポリマーアロイの総称です。

 

旭化成が製造販売を開始したのは1979年であり、エンジニアリングプラスチックにおいて長い歴史を持ち、幅広いポリマーアロイのラインアップを備えています。

ザイロン™は、優れた複数の特性を有します。高い耐熱性を備えた上、難燃性と絶縁性、寸法安定性、耐水性にも優れ、なおかつ低比重といった特長があります。さらに、相手となる他樹脂の特長も生かしながらPPEを添加することによってPPEの特長との相乗効果を狙ったポリマーアロイ材料です。

例えば、筐体、内装シャーシ、機構部品に適した設計自由度の高く、高精度な部品に使用可能です。

  • 変性PPE樹脂ザイロン™の製品ページはこちら

サステナビリティにフィットする、ザイロン™リサイクルグレード

旭化成では、PPEを様々な再生樹脂と混練することで、サステナビリティと機能性を両立するザイロン™のリサイクルグレードの開発を進めています。

このザイロン™のリサイクルグレードでは、ポストコンシューマーリサイクル樹脂を最大40%活用することが可能です。

また、再生樹脂は地産地消の考えのもと、各加工場での調達を目指し、カーボンフットプリント抑制に加え、BCPや物流面にも留意し、体制を整えています。

ザイロン™のサステナビリティにフィットする3つの特長

さらに、PCR樹脂を活用した新規アロイリサイクルも開発しています。

お客様とより密接な開発が可能であるクローズドスキームについても、パートナーを募集しています。

ザイロン™ リサイクルグレードが提供する価値

ザイロン™ リサイクルグレードが提供する価値

  • ザイロン™リサイクルグレードに関する資料(2021年12月に開催されたサステナブルマテリアル展の展示資料)のダウンロードはこちら

静音設計を実現する、高損失係数・制振材料ザイロン™Vシリーズ

ザイロン™Vシリーズは、PCやPC/ABS、ABSの5~10倍の制振性を実現する、高損失係数・制振材料です。

特徴

  • 高剛性・高制振性:剛性を維持しつつ、PCやPC/ABS、ABSの5~10倍の制振性を達成しています。

ザイロン™Vシリーズの制振性

  • 制音性 : 打撃音での損失係数が高く(特に高周波数領域) 、制音特性に優れます。

ハンマー打撃音の減衰波形

  • 遮音性 :遮音量が一般グレードより高く、遮音効果を有しています。(特に高周波領域)
  • 難燃性 :ハロゲン系難燃剤を使用することなく、UL94 V-1、V-0の難燃性を有しています。

耐インク性に優れた、ザイロン™DGシリーズ

ザイロン™DGシリーズは、結晶性樹脂であるPPS と 非結晶性樹脂であるPPEの特徴を保持したまま、各々の短所が大幅に改善された画期的な材料です。

特徴

  • 耐熱性:スーパーエンプラに近い、非常に高い耐熱性を有しています。
  • 機械的特性:強度と剛性のバランスに優れています。また、高温環境下においても高い剛性を保持しています。
  • 難燃性:難燃剤を使用せずに高い難燃レベルを有しています。
  • 寸法精度・寸法安定性:配向による異方性が小さい為、反りの小さい製品を製造する事が可能です。
  • 耐油・耐薬品性:優れた耐油・耐薬品性を有しています。
  • 成形加工性:PPS樹脂の成形において問題となる「バリ」の改善が可能となります。
  • 低比重:PPS樹脂と比較して、比重は大幅に小さくなっています。従って、部品の軽量化が可能となります。
  • 高耐熱性・電気特性、寸法安定性に優れた高機能グレード「ザイロン™ DG、XPシリーズ」についての資料のダウンロードはこちら

旭化成からのご提案②

歯車・機構部品、導電軸受向け樹脂材料「テナック™」

各種歯車・機構部品や導電軸受等に用いられるPOM樹脂テナック™についてご紹介いたします。

テナック™とは

ポリアセタール(POM)は、機械物性、摺動性、耐薬品性に優れるため、多くの機構部品や内装部品に使用されています。旭化成のPOM樹脂テナック™は、ホモポリマーとコポリマーを世界で唯一製造・販売する会社・製品として、様々な用途・材料の実績がございます。コポリマー「テナック™-C」においては、国内プラントと併せ、中国・張家港でも製造・販売を行っています。

  • POM樹脂テナック™の製品ページはこちら

高剛性・高精密なギアを実現する、テナック™-C NS556

テナック™-C NS556は、今まで難しかった高剛性と高精密の両立を実現し、且つ耐久性を兼ね備えた次世代のコンパウンド材料です。

特徴

  • 優れた寸法精度・安定性:寸法安定性と精度が求められる歯車等の静的精度、真円度、ボス部円筒度の向上、及び実使用時に求められる動的精度の向上が期待出来ます。特に大口径歯車やハスバ歯車にその効果が期待されます。

JIS歯車精度

動的精度

  • 高剛性と耐久性の両立:一般コポリマーに対し約150%の弾性率を発揮しつつ、耐久性をも兼ね備えた材料となっております。
  • 優れた低ソリ性:薄肉や偏肉の成形品でソリ低減や、ボス倒れ・芯ブレ等を抑えることが可能です。 また成形品のヒケを抑えることにも効果があります。
  • 高い熱時剛性:荷重たわみ温度は124℃(荷重1.8MPa)を有しております。 これにより成形時のサイクル短縮の可能性が考えられます。
プリンタ・ギア
  • 高剛性と高精密の両立を実現し、耐久性を兼ね備えた「テナック™-C NS556」のデータシートはこちら

アース・接点に用いられる金属を代替し、部品一体化・二次加工工程省略によるコストダウンを実現する導電材料テナック™-C TFC77、EF850

テナック™-C TFC77は、ポリアセタール樹脂に特殊なカーボンを2種使用していると同時に、導電性を阻害しない潤滑剤を配合する事により、高導電性と摺動性を両立させたグレードです。

特徴

  •  体積電気抵抗値 100~10 Ωcmレベルの優れた導電性。
  • 平滑な成形表面が可能で、安定した電気抵抗値を実現。
  • 摺動性を付与した事により、稼動時及び停止後にも安定した電気抵抗値を示します。
導電性軸受

テナック™-C TFC77の導電安定性

また、テナック™-C EF850は、高流動性ポリアセタール樹脂をベースとし、特殊なカーボンブラックを帯電防止を目標に設計された、良導電性と高い流動性(MFR:15 g/10min (190℃、2.16kg荷重))を両立させたグレードです。

テナック™-C EF850の高い流動性

  • 高導電性と摺動性を両立させた「テナック™-C TFC77」のデータシートはこちら
  • 良導電性と高い流動性を両立させた「テナック™-C EF850」のデータシートはこちら

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