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金属部品の樹脂化(金属代替)を実現する旭化成のエンプラと樹脂CAE 樹脂化・金属代替

Summary

  • 金属製の部品を、プラスチック製に置き換えることを、「樹脂化」あるいは「金属代替」といいます。
  • 金属部品の樹脂化には、部品の軽量化、部品点数の削減、塗装・メッキレスでの意匠性発揮、コストダウンなど、多くのメリットがあります。
  • 旭化成は、コンピュータによるシミュレーションでお客様の製品設計開発を総合的にサポートする、プラスチック用CAE(樹脂CAE)の研究応用・ご提供を行っています。樹脂CAEを活用することにより、短期・低コストで高性能な樹脂化設計をご提案することができます。
  • また、旭化成は、金属を代替することができる高機能な樹脂材料のラインナップを活用して、様々な分野の金属部品の樹脂化に挑戦しています。

旭化成からのご提案

樹脂化(金属代替)とは

鉄やアルミ(Al)、ステンレス(SUS)、真鍮などの金属製の部品をプラスチック製に置き換えることを、「樹脂化」あるいは「金属代替」といいます。

 

一般的に、高い耐久性・耐熱性などが必要な部品には金属が使用されてきましたが、この金属部品を、高機能なエンジニアリングプラスチック(エンプラ)に置き換えることで、求められる性能を維持しながら、部品の軽量化、部品点数の削減、塗装・メッキレスでの意匠性発揮、コストダウンなどを実現できます。

 

例えば、鉄から樹脂化すると、比重の単純比較で5分の1から6分の1ほどに軽量化することができます(鉄の比重=7.8、樹脂=1.3〜1.4程度)。また、アルミからの樹脂化においても2分の1ほどに軽量化が可能です(アルミの比重=2.7)。

 

また、金属は非常に幅広く様々な製品に用いられていますが、複雑な製品形状を実現する際には、金属板を打ち抜く・曲げる・複数の部品を組み合わせる等の後加工のプロセスが複雑化しやすいことが難点です。樹脂は金型の設計次第で自由度の高い形状を実現できるため、樹脂化によって複数部品を1つにでき、後加工プロセスの簡素化およびコストダウンに繋がる可能性があります。

樹脂化(金属代替)のメリット

このように、樹脂化・金属代替にはその製品の目的に応じたメリットがあります。代表的な樹脂化のメリットをご紹介します。

 

  • 軽量化:前述のとおり、単純に比重を比較すると樹脂は金属に比べて軽量です。ただ、単純に金属での部品形状のままでは、樹脂化を行うことはできず、最適化が必要です。そこで、樹脂CAEを用いながら満たすべき応力スペックをクリアできる形状等をシミュレーションしながら設計を行うことで、部品の大幅な軽量化を達成することができます。樹脂化による軽量化は、たとえば、作業効率アップ、製品輸送時の環境負荷低減、自動車の航続距離の延長などにもつながっています。
  • 複数部品一体化・部品点数削減:複数のパーツを組み合わせていたような複雑な形状の金属部品を、プラスチックなら金型の設計次第で1つにまとめて成形することができます。このような部品の樹脂化により、組み立て等の後加工が不要となり、コストダウンの実現が可能です。
  • 塗装レス:プラスチック自体に着色剤を練り込むことができるため、樹脂化によって成形後の塗装が不要となり、コストダウンにつながる可能性があります。
  • メッキレス:メッキ不要で優れた意匠性を発揮するプラスチックがあります。この材料を使って樹脂化を行うことで、メッキによる金属イオンを含む廃液の発生がなくなり、環境負荷を低減することが可能です。

関連ページ

「塗装レスによるコストダウンと環境負荷低減が可能なメタリック調樹脂材料」の詳細はこちら

  • オイルレス:歯車(ギア)など、金属製の場合は潤滑油を必要とする部品は、自己潤滑性を持つプラスチックで樹脂化することが可能です。これにより、油を注さなくても削れにくくなり、メンテナンスの負担を軽減することが可能です。

テナック™による、自動車のドア・ワイパー・シートなどを駆動させるモーターギアの樹脂化

  • 錆びない:樹脂化した部品は、金属のような錆の心配がありません。(ただし、樹脂化する際には使用環境を十分に考慮した上、その環境に適した耐薬品性を有する樹脂を選択し、認証取得・規格適合についても確認することが重要です。)

ザイロン™による、給排水システム関連部品の樹脂化 (給排水部品を樹脂化することで防錆を達成)

関連ページ

「給排水設備向け樹脂材料」の詳細はこちら

  • 保温性(熱伝導率が低い):寒いところで金属を触ると冷たく感じますが、樹脂化した部品では熱が伝わりにくくなります。自動車や住宅で人が手で触る部分や、寒冷地での保温が求められる部品に適しています。

レオナ™による、自動車のオイルパンの樹脂化 (樹脂の保温性により、寒冷地での燃費効率が向上)

旭化成からのご提案①

樹脂CAE技術

旭化成は、金属部品を樹脂化(金属代替)するためのプラスチック用CAE(樹脂CAE)の研究・応用を長年行ってきました。この樹脂CAE技術を駆使して、短期・低コストで高性能な製品開発をサポートします。

樹脂CAEとは

CAE(Computer Aided Engineering)とは、短期・低コストで高性能な製品開発を行うため、コンピュータのシミュレーションによって仮想的に試作や実験を行う設計技術です。

 

旭化成では、このCAEを活用することにより、短期・低コストで高性能な樹脂化をご提案します。

CAE
  • 『旭化成樹脂CAE技術のご紹介』資料ダウンロードはこちら

樹脂CAE事例:ブレーキペダルブラケットの「トポロジー最適化解析」

「トポロジー最適化解析」とは、樹脂化したい部品の最適な構造をシミュレーションする技術です。元の金属の形状からは考えつかないような、新しい発想を製品設計へ反映させることができます。

 

このトポロジー最適化解析を用いて、金属製のブレーキペダルブラケットの軽量化をご提案した事例をご紹介します。

 

まず、他の部品と干渉せずにブレーキペダルブラケットを設計することができる空間をモデル化し、それを元にいくつかの設計案を作製します。

そして、それらの形状について、要求性能を満たしているかどうか確認し、さらに、製造のしやすさ・重量などの多角的な観点から最も良い形状を導き出します。

 

このような開発プロセスを経て、より軽量な新しい形状で成立可能であるという結論に至りました。この事例では、旭化成のレオナ™ 14G33(ガラス33%強化ポリアミド66)で樹脂化することによって83%の軽量化をご提案しました。

  • 樹脂CAE活用事例『ブレーキペダルブラケット​軽量化への挑戦』資料ダウンロードはこちら

旭化成からのご提案②

旭化成は、金属を代替することができる高機能な樹脂材料のラインナップを活用して、様々な分野の金属部品の樹脂化(金属代替)に挑戦してきました。

樹脂化事例①:住宅設備(クレセント、蝶番(ちょうつがい)等)

主にドアや戸に用いられるクレセントや蝶番には、高い強度が求められるため、一般的に金属が使用されますが、金属部品で必須となるメッキ加工では、金属イオンを含む廃液が発生し、環境への負荷が大きいという課題があります。

 

そこで、良外観・高意匠性を有する旭化成のレオナ™90Gシリーズ あるいは SGシリーズによって樹脂化を行うことで、クレセント・蝶番としての機能を満たすことはもちろん、メッキレスかつ無塗装での製品化により、暖かい触感と機能性を実現しました。

 

また、このクレセントの樹脂化では、AGI成形活用によるひけ・そり等の課題の解消にも貢献しています。

クレセント

蝶番

  • 高剛性・良外観・易成形性を兼ね備えた「レオナ™90G50」のデータシートはこちら
  • 良外観・易成形性かつ低反り性に優れる「レオナ™91G55」のデータシートはこちら
  • 芳香族PAを含む「レオナ™Sシリーズ」のウェビナー動画視聴(英語)はこちら

樹脂化事例②:ナット、ネジ

パーツの締結部品として使われるナットには、一般的に金属が使用されてきましたが、自動車のように大量にナットを使用する場合、ナット一つ一つの重さが、完成品全体の重量増につながってしまいます。

 

そこで、旭化成のレオナ™ 90G55シリーズを用いて樹脂化を行うことで、金属製のナットに比べ、1個あたり6g、自動車1台当たり約1㎏の軽量化を実現し、自動車の燃費向上に貢献しました。また、樹脂化によりナットの表面がなめらかになり、作業効率の向上や、修理回数の削減につながりました。

  • プレスリリース「旭化成プラスチックスノースアメリカが2018年度『SPE Automotive Innovation Awards』を受賞」はこちら

樹脂化事例③:製造機器部品(空気圧機器)

製造現場の設備や装置に組み込まれ、オートメーション化に貢献している空気圧制御機器(ソレノイドバルブ)の筐体は、高い強度が求められるため、主に金属で作られています。一方で、空気をコントロールするために微細な流路加工が施されており、形状が複雑で、加工の工数が多く、材料ロスも多く発生します。

 

これを、高強度を特徴とする、旭化成のレオナ™ Sシリーズに置き換えることで、後加工を省略でき、工数削減に寄与することができました。

  • 高剛性かつUL94:V-0(1.5mm)を有する「レオナ™SH10E」のデータシートはこちら

このように、旭化成では、様々な分野での樹脂化に取り組んでいます。

樹脂化に際しては、金属とプラスチックの物性の違いや、
使用環境を考慮したうえでの設計が重要となりますので、
金属部品の軽量化・コストダウン等の課題がございましたら、
ぜひ一度、詳細をお問い合わせください。

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