活用提案
イオンマイグレーション抑制した赤リンフリー難燃樹脂材料 難燃グレード
イオンマイグレーション耐性評価方法
樹脂材料のイオンマイグレーション耐性を評価するための試験方法を説明します。
図1のように各樹脂材料の平板に銅電極を貼り付け、高温多湿な環境下で高電圧をかけます。
この試験では下記の流れでイオンマイグレーションが発生します。
1:高温多湿環境により難燃剤が分解して腐食成分が発生
2:銅電極が溶解して銅イオンが発生
3:銅イオンが電子を受け取って金属として析出
4:上記1~3が繰り返されることで析出した銅が徐々にもう一方の電極へと伸展
上記の環境試験に一定時間暴露し、電極間の領域に分布する銅を元素分析で調べました。イオンマイグレーションが発生すると、図2のように銅元素が一方の電極からもう一方の電極に向かって徐々に伸展していくことが確認されました。
イオンマイグレーション耐性評価結果
次にレオナ™ 難燃グレードの評価結果を図4に示します。
FR370はイオンマイグレーションが発生していないことが確認されました。またSN11Bではイオンマイグレーション発生が確認されましたが、その伸展は一般赤リン品の半分以下であり、進展速度が遅いことが確認されました。