技術・製品紹介
2026.02.12

プレスリリース
旭化成株式会社は、「トポロジー最適化」を活用した樹脂製品開発・設計支援をご提供していますが、このたび射出成形・金型受注を手掛ける府中プラ株式会社(以下、府中プラ)を共創パートナーとして選定しました。
両社の技術を掛け合わせることで「理想の形状」を「作れる形状」へと具現化する最適設計支援プログラムを提案致します。
従来の樹脂部品設計では、「軽量化したい」「剛性を上げたい」という課題に対し、設計者が過去の経験や勘を頼りに、肉抜きやリブ補強を試行錯誤で設計するのが一般的でした。しかし候補形状はほぼ無限に存在し、最適な構造にたどり着くのは困難です。そこで活用されるのがトポロジー最適化です。
トポロジー最適化とは、設計空間(部品が使って良い領域)に対して、拘束や荷重の条件を与え、有限要素法を用いたシミュレーションによって、「力の流れに沿って、材料を残すべき領域と削るべき領域」を数学的に計算する手法です。設計目標に対する感度を評価しながら形状変更を繰り返すため、設計者の試行錯誤による従来の方法では思いつかない最適な解に、短時間で辿り着ける点が大きな強みと言えます。
下記に、最適設計によりリブ配置を検討したペダル部品サンプルの例を示します。設計者が考案した形状(上側)は、補強リブが全体に渡って等間隔かつ規則的に配置されています。一方、トポロジー最適化による形状(下側)は、効率的に荷重を負担できる位置と方向に、最小限のリブが配置されています。

この手法を使うことで、無駄な材料を削ぎ落としつつ、必要な剛性は確保するという、人間の発想では難しい合理的な形状を導き出すことが可能です。軽量化と剛性確保という、相反する課題を解決する有力なアプローチとして注目されています。また軽量化は、材料使用量の削減という意味で環境配慮と言えます。
トポロジー最適化は画期的な手法ですが、ソフトウェアに「金型で成形できる形状」を設定することは難易度が高いです。また目標達成のために複雑な形状となる場合もあり、成形の可否や量産時の課題を適切に判断する必要が有ります。
この様な「計算上の理想」と「製造現場の現実」のギャップを解決するため、旭化成は射出成形の現場知見が豊富な府中プラと連携します。下図の通り、旭化成が最適設計を、府中プラが量産への落とし込みを担い、相互にフィードバックを行うことで「作れる最適設計」を実現します。

設計初期段階では、旭化成がトポロジー最適化を中心としたCAE技術を活用し構造の方向性を検討します。その際にガラス繊維配向を反映した材料特性などにより、精度の向上に努めます。荷重条件や拘束条件を設定し、例えばできるだけ少ない材料で変形を許容値以下に抑えるために、どこに材料を残しどこを削減すべきか、という考え方を可視化します。これにより、設計者は構想段階から合理的な判断を行いやすくなります。
一方で、製品設計として完成度を高める段階では、射出成形の量産立上げ経験が豊富な府中プラが、最適設計の意図を踏まえ熟成します。力学性能を維持しつつ、量産時の再現性、安定性を考慮した形状修正や金型構造へ落とし込んでいきます。
旭化成と府中プラが設計初期から連携することで、構想から量産まで行き詰まることなく自然につながる流れを構築できる点が、本サービスの特長です。
既に設計案を作られている場合や、構想や現行品のみの状況でも、旭化成と府中プラが伴走し、以下のようなニーズにお応えします。
単なる材料変更では剛性や強度が不足だが、樹脂でどんな形状にすればいいのか
→ 設計条件を踏まえたトポロジー最適化により、樹脂ならではの形状自由度を活かした合理的な構造検討を支援します。
肉抜きやリブ補強の方向性が分からず、軽量化が進まない
→ トポロジー最適化により、現実的な時間で合理的な形状を探索します。性能を確保しながら最大の効果を追求します。
複数の部品を、一体化かつ最適な形状に統合したい
→ 部品群の機能や設計空間を踏まえ、置換できる最適部品を設計します。剛性や強度の力学性能に加え、量産性を考慮した形状と金型構造を提案します。
最適設計ソフトウェアを使用中だが、射出成形できる形状に落とし込めない
→ 解析条件の設定、結果を踏まえた形状の具体化、量産に適した調整、金型設計までを含めて支援します。
この様な最適設計支援プログラムにご興味、或いは設計課題をお持ちであれば、ぜひご相談下さい。開発フェーズは問いません。
関連情報
「Value Co-Creation Table 2025」:テーマ-2「より軽く!よりエコに!部品製造の最適化」
パートナー企業 府中プラ株式会社:https://www.fuchu-pla.com/
パートナー企業 技術解説コラム:【旭化成×府中プラ】トポロジー最適化で「理想の形状」を「作れる形状」へ
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