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2022.07.01
業界コラム
富士経済は2022年4月、ロボティクスを生かした物流合理化やIoTなど次世代物流システム・サービスの国内市場は、26年に約1兆円と20年比で6割伸びるという予想を発表した。とくにRaaS(Robot as a Service)というサブスク型サービスの展開が進んでおり、26年には33億円(20年比16.5倍)に拡大すると予想する。
従来は、物流倉庫でロボットを活用するとなると巨額の初期投資が必要だったが、RaaSであれば、必要な期間、必要な台数だけロボットを利用でき、月額定額制などで利用できるので導入のハードルが下がる。さらにロボットは最新の製品を利用でき、物量の変動や取扱商品の変更にも柔軟に対応でき、利用データを活用することで、DXを推進し易くなるなどのメリットがある。
一方、ロボットメーカーにとっても、ロボット導入のハードルを下げることでユーザーの裾野を広げることができ、利用状況などのデータ蓄積が可能となり、開発への活用やサービスの利用継続が見込めるなどのメリットがある。
三井物産が出資するプラスオートメーションは、RaaSモデルで、物流倉庫にロボットを提供し、荷物の搬送やピッキング、仕分けを自動化するサービスを提供している。荷物に貼られたバーコードを読み取る仕分け用ロボット「t-Sort」、人が棚から取り出した荷物を運ぶ「PA-AMR」、複数の荷物をまとめて搬送する「CarriRo」の3種類のロボットを展開する。サービスには、倉庫内のシステム構築、導入後のコンサルティング、トラブル対応、メンテナンスなどが含まれる。導入コストは個別見積だが、中規模程度の倉庫の場合、月額100万円程度が目安という。同社は、物流会社のほか、洋服などの検品会社にもサービスを拡充し、24年3月期までに4,500台のロボットの提供を目指している。
人手不足が深刻な米国では中小企業にもRaaSの導入が加速し、稼働時間に応じてロボットに“賃金”が支払われるケースも登場している。「ロボット従業員」が珍しくなくなる日もそう遠い話ではないかも知れない。
この記事の初出は (株) 旭リサーチセンター Watchingリポートに掲載されたものです。
この記事は (株) 旭リサーチセンターの 秋元真理子 が執筆したものです。
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