技術・製品紹介
更新日:
2026.09.17
|公開日:
2026.09.17

技術・製品紹介
近年、欧州向け家電コネクター用途を中心に、国際認証規格 IEC60335-1への対応ニーズが高まっています。この規格では、高いグローワイヤー性(GWIT、GWFI)を有する材料を使用することで、最終製品での認証試験(GWEPT)の簡略化、または省略できる場合があります。
こうした市場要求に対し、旭化成は、組成設計と独自のコンパウンド技術で混錬することにより、高グローワイヤー・高靭性・非ハロゲン難燃ポリアミドを特長としたレオナ™ 高グローワイヤー難燃グレード(開発品)を開発しました。
しかし、一般にグローワイヤー性を高めると、材料が割れやすくなるという課題がありました。本材料は、この課題を解決し、「難燃性」に加えて「着火しにくさ」と「割れにくさ」を両立した新しい難燃ポリアミドです。
コネクタなどの最終製品でのグローワイヤー試験(GWEPT)の免除要件である「GWFI 850℃以上」かつ「GWIT 775℃以上」を満たす材料であっても、近年の安全性向上の観点から、GWEPTが求められるケースがあります。
GWEPTにおける着火性なしの指標は、「ワイヤー温度750℃において30秒間ワイヤー接触している間に、燃焼秒数が2秒未満となること」であり、材料平板で実施するGWITの着火性なしの指標である「燃焼秒数5秒未満」に比べ、より厳しい要求となります。
本材料は、3.0mm厚の試験平板において、GWFI 960℃、GWIT 850℃、さらにワイヤー温度800℃でも、ワイヤー接触中に着火しない実力があります。そのため、最終製品のグローワイヤー試験(GWEPT)においても安心して使用できる材料です。
→ グローワイヤー試験(IEC 60695)についての詳細はこちら
一般に難燃剤を多く配合すると、材料は割れやすくなります。本材料は、従来の一般高グローワイヤー難燃グレードと同等の性能維持しながら、靭性が大幅に向上しています。下図の引張試験結果では、降伏後も伸びながら破壊する挙動を示し、従来材に比べて高靭性であることを示しています。
引張試験による靭性評価
実使用を想定し、スナップフィット*構造を有する成形品での嵌合試験を実施しました。その結果、繰り返しの変形に対しても破損しにくく、高い機械的信頼性を有することを確認しています。
*スナップフィットとは:材料の弾性変形と復元力であるしなりを利用して部品同士を固定する接合構造であり、靭性が求められる。(これらの物性は、定められた方法によって測定された実測値であり、保証値ではありません)
スナップフィットを利用した靭性評価
本材料は、ノンハロゲン系難燃材であり、耐トラッキング性評価においてCTI 600V (IEC 60112、ASTM D3638)の実力があります。漏電や短絡のリスク低減に寄与するとともに、必要沿面距離の短縮による部品の小型化が可能となります。
上記特長を持ち、高い難燃性と機械的信頼性の両立を可能にしています。特に、スナップフィット構造やロック機構を有するコネクタ部品、端子台、電装部材など燃えにくさと機械的強度の両方が求められる部品において、設計の自由度向上に貢献します。
適用可否の検討や評価データの詳細、想定用途については、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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