変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)樹脂
ザイロン™
1979年3月に製造販売を開始、ポリフェニレンエーテルと完全相溶系であるポリスチレン系樹脂とのポリマーアロイと非相溶系であるポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリフェニレンサルファイド系樹脂のポリマーアロイの4タイプを製造販売しています。
生産能力
72,000トン/年
変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)樹脂
ザイロン™
1979年3月に製造販売を開始、ポリフェニレンエーテルと完全相溶系であるポリスチレン系樹脂とのポリマーアロイと非相溶系であるポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリフェニレンサルファイド系樹脂のポリマーアロイの4タイプを製造販売しています。
生産能力
72,000トン/年
ザイロン™とは
ザイロン™とは、旭化成が製造販売する、変性ポリフェニレンエーテル樹脂の総称です。
変性ポリフェニレンエーテルは、製品の軽量化や高精度化に寄与するエンジニアリングプラスチックです。ザイロン™は、完全相溶系のPPE/PS系アロイ、非相溶系のPA/PPE系アロイ、PP/PPE系アロイ、PPS/PPE系アロイ等グレードラインナップが豊富であり、お客様のニーズに応じて最適なグレードを提供します。
ザイロン™の特長
汎用エンジニアリング樹脂(エンプラ)の中でのザイロン™の特長を以下に示します。
長所
1. 比重が小さく、製品の軽量化が可能です。
2. 成形収縮率が小さく、吸水性が低い為、寸法安定性に優れます。
3. 電気特性に優れます。
4. 難燃性に優れます。
短所
1. 有機溶剤と接触する用途には注意が必要です。
2. 特に淡色系の場合、光で変色する場合がございますので、注意が必要です。

ザイロン™ 用途事例
リレーブロック/ジャンクションボックス(ザイロン)
リレー、ヒューズ等の収納ケース
製品
グレード
A0210:PA/PPEアロイ樹脂。高耐熱、高靭性、低吸水寸法変化(ナイロン材に比較して)
A0230:アセアン地域での原材料を現地化したA0210相当グレード
AF700:PA/PPEアロイ樹脂。高耐熱、低吸水寸法変化、UL V-0
特長
・PAの優れた耐熱、靭性をそのままに吸水寸法変化を改善します。
・高強度、高靭性であるため、靭性が要求される高度な設計に対応可能です。
・UL V-0グレードもございます。
・PAの原料であるヘキサメチレンジアミンを社内で生産(日系で唯一)することで、供給安定、高品質を達成しております。
・海外では原材料を現地化することで、グローバルで安定した供給、コストを維持しております。
プリンタ機構部品(ザイロン)
レーザービームプリンター(LBP)、インクジェットプリンター(IJP)等、プリンタの筐体、機構部品
製品
グレード
・X7744、X444V、X523V、X364V:フィラー強化材。超低そり高寸法精度、低比重、高剛性、ノンハロ難燃、幅広い耐熱温度の設計が可能
・CN51V:光透過材。940nmの赤外線透過
・VT31V、VT31Z、VT52Z:制振材。静音設計を実現
・DG040、DG235、DG141:PPSアロイ材。耐薬品性、低そり高寸法精度、高耐熱、良流動、高剛性
特長
・筐体、内装シャーシ、機構部品に適した設計自由度の高く、高精度な部品に使用可能です。
・レーザー光を透過するグレードでは、接着剤不使用の設計を実現します。
・損失係数が高く、振動抑制効果を発現するグレードもございます。
・薬品に接触する部品にも使用可能なグレードもございます。
・高精度を求められる超精密加工部品に使用できる為、部品の小型化に寄与します。
・比重が小さい為、部品の軽量化に寄与します。
NiMH電槽部品
⾞載⼆次電池ケース。
こちらは旭化成グループの環境貢献製品として、製品を使用する段階でCO2削減に貢献しております。
製品
グレード
ザイロン⾮難燃グレード
・軽量(低⽐重)
・耐アルカリ性
・ガスバリア性
・耐⾦属劣化性
特長
・従来素材(⾦属)と⽐べ軽量化を達成するとともに、電池ケースとして必要な性能を備えた素材として、開発されました。
リレーブロック/ジャンクションボックス(ザイロン)
リレー、ヒューズ等の収納ケース
製品
グレード
A0210:PA/PPEアロイ樹脂。高耐熱、高靭性、低吸水寸法変化(ナイロン材に比較して)
A0230:アセアン地域での原材料を現地化したA0210相当グレード
AF700:PA/PPEアロイ樹脂。高耐熱、低吸水寸法変化、UL V-0
特長
・PAの優れた耐熱、靭性をそのままに吸水寸法変化を改善します。
・高強度、高靭性であるため、靭性が要求される高度な設計に対応可能です。
・UL V-0グレードもございます。
・PAの原料であるヘキサメチレンジアミンを社内で生産(日系で唯一)することで、供給安定、高品質を達成しております。
・海外では原材料を現地化することで、グローバルで安定した供給、コストを維持しております。
プリンタ機構部品(ザイロン)
レーザービームプリンター(LBP)、インクジェットプリンター(IJP)等、プリンタの筐体、機構部品
製品
グレード
・X7744、X444V、X523V、X364V:フィラー強化材。超低そり高寸法精度、低比重、高剛性、ノンハロ難燃、幅広い耐熱温度の設計が可能
・CN51V:光透過材。940nmの赤外線透過
・VT31V、VT31Z、VT52Z:制振材。静音設計を実現
・DG040、DG235、DG141:PPSアロイ材。耐薬品性、低そり高寸法精度、高耐熱、良流動、高剛性
特長
・筐体、内装シャーシ、機構部品に適した設計自由度の高く、高精度な部品に使用可能です。
・レーザー光を透過するグレードでは、接着剤不使用の設計を実現します。
・損失係数が高く、振動抑制効果を発現するグレードもございます。
・薬品に接触する部品にも使用可能なグレードもございます。
・高精度を求められる超精密加工部品に使用できる為、部品の小型化に寄与します。
・比重が小さい為、部品の軽量化に寄与します。
NiMH電槽部品
⾞載⼆次電池ケース。
こちらは旭化成グループの環境貢献製品として、製品を使用する段階でCO2削減に貢献しております。
製品
グレード
ザイロン⾮難燃グレード
・軽量(低⽐重)
・耐アルカリ性
・ガスバリア性
・耐⾦属劣化性
特長
・従来素材(⾦属)と⽐べ軽量化を達成するとともに、電池ケースとして必要な性能を備えた素材として、開発されました。
グレード一覧・物性一覧表
PPE/PS 非強化
ASTM規格 HDT(°C) |
ISO規格 DTUL(°C) |
難燃性 (UL-94) | |||
---|---|---|---|---|---|
1.82MPa | 1.80MPa | HB | V-2 | V-1 | V-0 |
76 | 70-77 | 1951J | |||
85 | 78 | 100V | 100Z | ||
90 | 86-93 | 200H | 240W | 240V | 240Z |
100 | 95-98 | 300H | 340W | 340V | 340Z |
110 | 104-109 | 400H | 440Z | ||
120 | 112-114 | 500H | 540V CN51V |
540Z | |
130 | 126 | 600H | 640V | 644Z | |
140 | 135-137 | 740V | 744Z | ||
150 | 146 | SZ800 | |||
170 | 158 | 1000H (HB相当) |
PPE/PS 強化
ASTM規格 HDT(°C) |
ISO規格 DTUL(°C) |
難燃性 (UL-94) | ||
---|---|---|---|---|
1.82MPa | 1.80MPa | HB | V-1 | V-0 |
100 | 97-107 | X352H | X332V X352V X364V |
|
110 | 106-116 | G402H | X423V X444V |
X1712 |
120 | 115-121 | X552H X533H |
X523V G544V X7744 X552V |
|
130 | 118-130 | G701H | G701V | G601Z |
140 | 135-148 | G702H G703H |
G702V | G793Z |
PP/PPE
ISO規格 DTUL(°C) 1.80MPa |
難燃性 (UL-94) | 非強化 | 強化 |
---|---|---|---|
97 | – | TZ100 | |
120 | HB | TT521 |
PA/PPE
ISO規格 DTUL(°C) 0.45MPa |
難燃性 (UL-94) |
非強化 | 強化 |
---|---|---|---|
176 | – | A0210 | |
190 | HB | AT600 | |
198 | – | AG511 | |
252 | – | AG213 | |
193 | V-0 | AF700 |
PPS/PPE
ISO規格 DTUL(°C) 1.80MPa |
難燃性 (UL-94) | |
---|---|---|
V-1 | V-0 | |
217 | DG235 | |
183 | DG040 | |
214 | DG141 | |
256 | DV166 |
PPA/PPE
ISO規格 DTUL(°C) 1.80MPa |
難燃性 (UL-94) |
---|---|
HB | |
274 | XP640 |
グレード検索・個別物性表
製品データ/使用のヒント
QGFの配向と製品設計の注意点の関係は
ガラス繊維の方向性により、成形収縮率や強度が異なってきますので製品設計に当たって注意が必要です。
Qそり防止の手段は
Qアニーリング、調湿とは
調湿とは、吸湿性のある材料の成形品を湿度雰囲気下で強制的に吸湿させ寸法等を安定させる処理を行うことです。
Qモールドデポジットの除去方法は
これを除去するには、これらのものを良く溶解する溶剤で洗浄する方法が一般的で、旭化成の「MDバスター」「バスターマイルド™」が効果的です。
Qリワーク材とは、使うときの条件は
一般には、粉砕し粉砕品をそのまま使用するか、粉砕品を押出しペレット形状とし使用します。
リワーク材を使用する場合、リワーク前後の保管状態、リワーク回数、リワーク材の使用率(どれだけ混入させるか)、異物混入などの注意が必要です。
Q乾燥時の変色の物性への影響は
一般には、100℃以下、2ないし3時間が目安となりますが、100℃以下でも長時間、乾燥すると変色することが有ります。
変色があっても物性への影響は有りませんが、長時間、特に100℃以上で長時間乾燥し、極端に変色した場合は注意下さい。
Q収縮率と型温の関係は
非晶性樹脂のmPPE(ザイロン™)の成形収縮率は金型温度により比較的小さく変化します。
Q成形条件と結晶化の関係は
Q製品の最大肉厚、最小肉厚は
通常の肉厚は、1-3mmを基本とします。
Q予備乾燥は何故必要ですか、必ず必要ですか
QGFの形状は
Qグレード番号の見方は
Qハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤とは
非ハロゲン系とは塩素や臭素を含まない難燃剤を称します。
Q結晶性樹脂と非晶性樹脂の違いは
Q無機フィラーの種類は
QULとは
1.UL-94:プラスチックス材料の燃焼試験:試験片の厚みにより、94HB、94V-2、94V-1、94V-0 があり、一般的に肉厚が薄い程燃焼しやすくなります。
2.UL-746A:プラスチックス材料の短期物性評価の規格で以下の2つが使用される。動的外力がかかるような使用環境下に適用され、熱可塑性樹脂の場合、引っ張り衝撃値で判定される(熱硬化性樹脂の場合はアイゾット値) 標示方法はMech,with imp静的外力のみがかかるような使用環境下に適用され、熱可塑性樹脂の場合は、引っ張り強さで判定される(熱硬化性樹脂の場合は曲げ強さ)、標示方法は Mech,w/o imp
3.UL-746B:プラスチックス材料の長期的物性評価の規格で以下が使用される。定格温度 10万時間、一定の温度で大気中で暴露された場合、初期の物性値(電気的、機械的特性など)が50%に低下する一定の温度を標示する、標示はRTI(Relative Thermal Index) で℃
4.UL-746C:プラスチックス材料の電気的用途評価の規格で評価レベルによりUL特性ランク標示される。( PCL:Performance Level Categories ) で以下の5つが使用される。
(1) 熱線着火性:材料が加熱され着火する程度を、着火秒数で評価、標示はHWI( Hot-Wire Ignition )PCLランクは0から5までの5段階であり、数字の小さい程良好である。
(2) 大電流アーク着火性:材料がアーク放電によって着火する程度を 、アーク数で評価、標示はHAI (High-Ampare Arc Resistance)PCLランクは0から4の5段階で数字の小さい程良好である。
(3) アーク抵抗:ASTM D495に準じるアークに起因する、導電路を形成する度合いを、秒数で評価、標示はD495として標示し、PCLランクは0から7の8段階であり、数字の小さい程良好である。
(4) 高電圧トラッキング:材料の表面に繰り返し高電圧低電流のアーク放電させ、材料が導電路を生じせしめる程度を評価、トラッキング速さ(ミリ/分)で評価、標示はHVTR( High Voltage Arc Tracking Rate )
(5) 耐トラッキング:材料に永久的な炭化導電路を生じせしめる電圧の程度を評価、標示はCTI( Comparative Tracking Index )、PCLランクは0から5までの6段階であり、数字の小さい程良好である。
5.UL-746D:プラスチックス材料の組立部品の規格
Q延性破壊と脆性破壊の違いは
このように材料に伸びがある場合を延性破壊といい、一方GF強化タイプの様に、応力-歪み曲線において明確な降伏点がなく、伸びが発生せずに破断する場合を脆性破壊と言います。