触れ合えるロボット?
ソフトロボティクスの発展

業界情報

ソフトロボットは、人間にはできないこと、また従来型ロボットにはできないことができます。ソフトロボティクスの目標のひとつは、融通の利く、能力的にもっと動物に似た機械を作ることです。この1年で、この分野における開発は大きな進化を遂げています。

 

ソフトロボティクスとは?

ソフトロボティクスは、急速に発展している科学の一分野であり、エンジニアはさまざまな用途向けに曲げられる機械を作ろうと模索しています。用途の例として、腹腔鏡手術のような医学の世界、義肢学を中心とする医療のイノベーション、そのほか災害救助や宇宙探査などがあります。

これまでのロボットは、通常スチール、アルミニウム、ABSプラスチックなどの硬い素材で製造されてきました。対照的に、ソフトロボットの設計に求められるのは、柔軟な素材です。また、ハイブリッドの素材が採用されることもあり、例えば硬い金属と軟らかい多孔質の発泡ゴムを備え、求められれば剛性を、変形が必要ならば弾性を、と両者を組み合わせるものもあります。

研究の多くは、生体に着想を得ており、多くの設計コンセプトは、生体が自然界に適応した形態や動きを参考にしています。バイオインスピレーションは、生体の軟らかさが知能にどのように寄与し、適応的な振る舞いを生み出すかを解明します。そして、新しい感覚モダリティを持つソフトロボットの製作に役立ちます。

以下の動画では、科学者はタコに着想を得て、硬いロボットでは対処できない問題にもひねりを加えて進めるロボットを製作しています。

※動画再生時に音声が流れます、ご注意ください。

ほとんどの場合、ソフトロボットは、従来型ロボットのように大がかりなモーターで駆動するのではなく、軟らかい人工筋肉の力で動きます。おそらくアナロジーとして適切なのは人工のタコという形態でしょう。ソフトロボットを動かすエネルギー源は空気圧や油圧などがあります。その発生源・貯蔵器は生物の付属器官に似ているデバイス、例えば人間の肺のようなものから空気を送って空気圧をかけたり、油圧を動力として人工筋肉を刺激してソフトロボットの指や手を制御するようなシステムを構成します。

 

触覚センサー

1つ目のイノベーションでは、香港城市大学の研究チームが、人間の皮膚に相当する特徴を持つ軟らかい触覚センサーを開発しました。この装置は、ロボットグリッパーの一種であり、センサーが指先に装着されています。

このセンサーをロボットの指先に取り付ける目的は、壊れやすい物体を掴みながら、滑って落とすことなく安定した状態を維持するなどの複雑な作業や、針穴に糸を通すようなきめ細かい作業を遂行できるロボットを設計することでした。スマート義肢や、従来型の硬いロボットとでは難しかった人間とロボットの協働作業(インタラクション)における発展の基盤となることが期待されます。

このセンサーは「皮膚のような」と紹介され、最表層にある厚さわずか0.5 mmの磁性フィルムによって人間の皮膚に匹敵する感度を実現しています。このスキンに外からの力が加わると、表層はフィルムの変形から磁場の変化を検出します。スキンの感度と測定範囲の調整は最表層(磁性フィルム)の磁化方向を変えることで行われるため、後からスキンの厚さを変更することなく、異なる感度を持たせることができます。

この研究はScience Robotics誌に掲載されており、論文のタイトルは「Soft magnetic skin for super-resolution tactile sensing with force self-decoupling(力の自動分解を用いた、超解像度の触覚センシングのための軟らかい磁性スキン)」です。

 

素早い反応

2つ目の例は、ソフトロボットの反応を素早くすることをめぐるイノベーションです。人間が周りの環境の変化に素早く反応できるのと同じように、ソフトロボットにも似た動きができれば、さらに有用でしょう。しかし、そのような機能には複雑な仕組みやセンサーが必要になるため、この課題は簡単ではありません。

ある画期的なイノベーションにより、エンジニアは軟らかいポリマー片に液体金属の回路を印刷することに成功しました。これは、圧力や機械的ひずみがかかると丸まるなどの自然界の自律的な動きを模倣するインテリジェントな素材の開発につながりました。この素材は、未来のソフトロボットの外殻となることが期待されています。

この素材は、ニッケルを注入したガリウム – インジウム合金を液晶エラストマー(加熱または冷却すると大きく変形する種類のポリマー)に溶着することで実現しています。

以下の動画では、その仕組みが紹介されています。

※動画再生時に音声が流れます、ご注意ください。

実験では、この軟らかい新素材が電流に反応し、温度が上がるにつれて丸まる様子が示されています。これはその後、回路に加えられた圧力または張力を知覚してそれに反応する、軟らかい「インテリジェントな」グリッパーを生み出しました。複雑な作業や移動を行うソフトロボットの設計にも応用が見込まれます。

この研究はACS Nano誌に掲載されており、論文のタイトルは「Magnetic Printing of Liquid Metal for Perceptive Soft Actuators with Embodied Intelligence(身体的知能を備えた、知覚能力のある軟らかいアクチュエーターを、液体金属の磁気印刷で実現する)」です。

 

電子機器を使わないロボット

3つ目に注目するイノベーションでは、電子機器を全く使わずに動作する4脚歩行のソフトロボットの開発です。ロボットの制御や移動システムを含むすべての機能のために必要なのは、一定の加圧空気だけです。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームよるこのロボットには、軟らかいチューブやバルブが組み込まれ、障害物を検知する接触式ソフトセンサーも搭載されています。軽量で低コストの空気圧回路を使ったシステムにより制御されます。以下の動画で開発の詳細が解説されています。

※動画再生時に音声が流れます、ご注意ください。

この研究はScience Robotics誌に掲載されており、査読済み論文のタイトルは「Electronics-free pneumatic circuits for controlling soft-legged robots(電子機器を使わない空気圧回路によって、軟らかい脚を持つロボットを制御する)」です。

 

この記事はDigital Journalに掲載されたものであり、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願い致します。

用途事例

減速機(レオナ)

減速機(レオナ)

モーターから得た回転速度を減速・変速させ、必要な力を得るための変換機

レオナ用途事例

製品

レオナ™

グレード

・開発品(フィラー強化)
・ポリアミドの疲労特性を活かしつつ、耐摩擦摩耗に優れた材料

特長

・耐摩擦摩耗性
・高剛性
・耐疲労特性

用途事例

車載カメラ
(鏡筒、レンズスペーサー)

車載カメラ
(鏡筒、レンズスペーサー)

車に搭載される各種カメラに使用される鏡筒、レンズスペーサー

グレード

・XP640 PPA/PPEアロイ+GF40%
・DG040,DG340 PPS/PPEアロイ+特殊ガラスフィラー40%

特長

・高耐熱PA並みの高耐熱・高強度・高剛性のパフォーマンスを発揮します。
・高温環境下の機械強度低下が小さく、特殊ガラスフィラー配合により寸法変化の異方性が小さいです。
・金属部品の樹脂化に貢献することで部品コストダウンに寄与します。

用途事例

モーターギア

モーターギア

ドア・ワイパー・シート等を駆動させるモーターに使用されるギアには、高い耐久性が求められるため、高粘度のホモポリマーが主に使用されています。

特長

・耐久性
・耐クリープ性
・金属代替による軽量化が可能