動的構造解析

(衝撃解析)

動的構造解析(衝撃解析)とは

動的構造解析とは、衝突や落下といった、短い時間で物体に急激な力が加わる現象において、その物体の応力や変位などの応答を予測するCAE技術です。

樹脂のひずみ速度依存性

樹脂には変形速度によって材料物性が大きく異なるという特性があり、これをひずみ速度依存性と言います。
予測したい現象が高速になれば、通常の樹脂特性(低速の応力ーひずみ曲線)だけでは表現できません。

If the phenomenon you want to predict becomes faster, you cannot express only by the normal resin characteristics (low-speed stress-strain curve).

衝突速度と物性測定用試験機

応力ーひずみ曲線

旭化成独自の材料モデル

ポリアミドに代表される結晶性樹脂は、図(左)のように結晶部と非晶部が存在します。

非強化ポリアミドのダンベル型試験片を引張ると、図(右)のようにネッキングが起こり、延性破壊します。 非晶部のポリマーが引き延ばされ、結晶部と非晶部の境界において破断が生じるという樹脂特有の特長です。

破壊形態や破壊時のエネルギー吸収量を予測できるよう、このような微視損傷を考慮した材料モデルを開発し衝撃解析に適用しています。

We have developed a material model that considers such microscopic damage and applied it to impact analysis so that we can predict the failure mode and the amount of energy absorbed at the time of failure.

旭化成独⾃の材料モデル 微視損傷モデル旭化成独⾃の材料モデル 微視損傷モデル

旭化成独自の材料モデルの適用事例

独自の材料モデルを適用することで、従来の材料モデルと比較して、実際の破壊モードにより一致する解析結果が得られました。

独自モデルにより、解析結果と実験結果の破壊モードが一致

オイルパンのチッピング評価への適用例

跳ね上げられた石を模擬した金属製の弾丸が樹脂製のオイルパンに衝突する試験のシミュレーションと、実際の試験を高速度カメラで撮影した様子を比較しました。解析結果と実験結果はよく一致しており、試験片ではない複雑な形状に適用してもよい結果が得られました。

詳細は、CAE解析事例紹介「衝撃解析精度検証」をご覧ください。

オイルパンのチッピング評価解析結果シミュレーション結果

オイルパンのチッピング評価実験結果実際の試験動画

動的構造解析における活用事例をご紹介します。

資料ダウンロード